2014.04.18
1年生達は、実験に取り組むにあたり、
様々なガイダンスやレクチャーを受け、
色んな新しい知識を得た一週間でしたが、
上級生となる2~4年生は、今日も白衣を着て、
テキパキと実験に取り組んでいました。
今日はそんな上級生の実験の中でも、
有機テクノロジー学科と医療からだ高度分析学科の学生たちが取り組んでいる
「医薬・食品成分実験」という実験科目の様子を紹介します。
実験は2つのテーマに分かれて行われていました。
ここの実験室で行われていたのは、
私たちが普段よく飲む日本茶の「茶葉」から
「カフェイン」という成分を取り出し、分析する実験です。
カフェインは、お茶の他に、コーヒーや飲料水、
そして栄養剤にもよく含まれている成分で、
皆さんもよく耳にすることがあるかもしれません。
茶葉から、そのカフェインだけを抽出するのが、
今回の目的です。
(茶葉の色が見えやすいように、
白衣に合わせて写真に協力してくれた
有機テクノロジー学科のH君。ありがとう。)
身近な食品の成分が実験対象とあって、
学生たちも興味津々といった様子です。
また、2年生にとっては、
今年から各学科の専門の知識・技術を学べる実験を行うようになります。
今まで1年間学んできた分析技術を活かしつつ、
また新たな技術や知識を身に付けていきます。
この実験では、バッテン先生から、
カフェイン抽出に必要な新たな技術について、
随所で丁寧な説明が行われていました。
学生たちも、真剣な眼差しで聞き入っています。
医薬品成分や食品の分析技術は、
医薬品や食品だけでなく、洗剤などの化成品や化粧品、
そして様々な材料の原料となる化学薬品の分析など、
様々な業種の「分析」に通じるものです。
この「分析」技術を通じて、彼らも将来は、
私たちの身の回りの生活の安全を支える技術者になってくれることでしょう。
別の実験室では、
先ほどとは異なるテーマの実験が行われていました。
ここでは、除草剤にも使われることのある成分を、
「合成」していました。
合成とは、
2種類以上の化学物質や成分同士をくっつけて、
さらに新しい物質・成分を作り出す技術のことです。
この合成の技術によって、
たとえば新しい効能のある新薬成分の開発が行われたり、
石油の成分から衣服やペットボトル、プラスチックが作られたりと、
私たちの生活は深く支えられているのです。
今日は、まさに「ものづくり」の基礎となる技術を体感できる実験と言えます。
見た目は何の変哲もない透明な液体から、
薬品をちょっと加えるだけで、
真っ白な固体がどっさり出てくるのを見るなり、
「おー!」
と学生たちはみんな歓声を上げていました。
(ちょっとびっくりしつつも、
「ものづくり」を実感し、みんな笑顔です)
この白い固体こそ、
今回合成して得られた成分です。
実際に取出してみると、
みんな「ものづくり」を体感し、笑顔があふれていました。
今日修得した「分析」「ものづくり」の技術は、
「医薬品や食品の安全性を守りたい!」
「新しい材料を作りたい!」
「色んなものを分析したい!」
そんな多くの学生の夢を叶えるために必ず活かされます。
彼らの夢の実現に向けて、
これからもどんどん新しい知識や技術を吸収していくことでしょう。
そして立派な分析化学者として
活躍してくれる日が来ることを楽しみにしています!
byあおひげ