2014.04.19
本校には、平日に通学できない社会人やフリーター、大学生等を対象とした、
土曜日・日曜日開講の「化学分析コース」があります。
週末を活用することで、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の
国家資格も卒業と同時に全員が取得することができます。
このコースに在学する学生の入学目的は、例えば、技術職への就職や転職、
現職でのキャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に
必要な国家資格の取得など多彩です。そして、多種多様な目的に対応するため、
1学年あたりの定員を20名として、少数精鋭で開講しています。
本日、1年生は基礎化学実験があり、ガラス細工や天秤の取り扱い方を学びました。
実験室に入るのは中学校や高等学校の理科の授業以来という学生も少なくないため、
いきなり化学実験を行うのではなく、まずは実験の雰囲気や諸注意などを体感して
もらうことと、基本的な器具の使い方を修得することが目的です。
なお、本来ならば、実験室では白衣と保護眼鏡の着用が必須ですが、納品日の関係で
これらが届いていないことと、本日の実験では危険な試薬は一切使用しないため、
本日だけ特別に、私服のままで実験を行っています。
ガラス細工では、これから2年間自分自身が使う撹拌棒やポリスマン(ビーカーの内壁
に付着した沈殿物などをかき集めるためのガラス器具)、薄層クロマトグラフィーという
実験で用いるキャピラリーという細いガラス管を作製しました。
まずは基本となるガスバーナーの取り扱い方から丁寧に説明していきます。
ガラス細工の手順の説明を聞き、演示を見た後、各自で作業に取り掛かりました。
ガラス管の端を封じて、撹拌棒を作製中です。
熱したガラス管を一気に伸ばして、キャピラリーの完成です。
ガラス細工を終えた学生からは、
『演示では簡単そうに見えましたが、実際に行ってみると簡単ではなく、根気と
思い切りの良さが必要だと感じました。さらに、自らの手で作製したことで道具に
愛着が生まれましたし、楽しかったです。』
という感想が聞かれました。
次に、天秤やメスフラスコの扱い方を学びました。
こちらも、1つ1つの道具の使い方や注意すべき点の説明を聞きながら、
実際に操作することで着実な修得を目指します。
天秤は水平に保たないと、正しく重さが量れないので、まずは水準器を見ながら、
足の高さを調節して、水平にしています。
その後、天秤で食塩を秤量して、メスフラスコを用いて食塩水を調製しました。
メスフラスコに付いている標線を越えないように、慎重に水を加えています。
学生たちに実験の感想を聞くと
『初めてのことばかりで緊張しましたが、道具の持ち方から1つ1つ丁寧に教えて
もらえたので、一日で多くのことを修得することができました。』
『基本からしっかり教えてもらえたことで、これまで行っていた操作方法の間違いにも
気が付くことができました。早速、職場でも活かしていきたいと思います。』
といったコメントを話してくれました。
5月からの本格的な実験開始に向けて、さらには即戦力となれる技術者を目指して、
本日学んだことをしっかり復習し、実験の基本を1つ1つ着実に修得していきましょう。
by みなと