せんせのブログ

基礎の積み重ねが実務に必要なチカラになる!

2014.05.10

本校では、平日の学科には通学できない社会人や大学生等を対象とした、週末(土曜日・日曜日)
開講の「化学分析コース」を設置しています。週末だけの通学となりますが、平日の学科と同様に
2年間で卒業でき、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の
国家資格を卒業と同時に取得することができます。このコースに在籍する学生のほとんどは社会人
ですが、現職でのスキルアップや技術職への転職を入学目的とされる方、事業の拡大を考えている
経営層の方以外に、就職活動を見据えて技術力を高める目的で入学される大学生も在籍しています。
在校生の多種多様な入学目的を達成するために、このコースは20名の少数精鋭で開講しています。

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今日は午後から、2年生・1年生ともに実験を行いました。2年生は、分析機器を
用いて環境中の有害物質や、食品中の栄養成分、医薬品の薬効成分などを分析する
ステージに移行していますが、今日はスナック菓子に含まれるカルシウムの分析を
実施しました。

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1年次の実験と異なり、環境や食品、医薬品などの実際のサンプルを分析する際は
必ず前処理が必要となります。1年次に化学分析の知識と技術について基礎固めを
してきた学生たちにとって、卒業後にそれぞれの職場で不可欠となる前処理技術を
修得することが、この実験での主な目的の一つとなっています。

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スナック菓子をすりつぶして、加熱し、完全に灰化します。それを酸で溶解して、
試料溶液とします。簡単に言ってしまえば、前処理はこれだけの内容ですが、この
操作がしっかりと実施できていないと信頼性の高い結果は得られません。その後、
原子吸光光度計を用いて、カルシウムの含有量を測定しました。

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Kさん(中央の女性)は平日、食品の品質管理業務に従事していますが、実験後、
次のように話していました。

  『仕事では主に細菌検査を担当していますが、食品の栄養成分の分析は、
   そのほとんどを他社に委託しているので、前処理を含めてしっかりと
   分析したのは初めてでした。1年次の授業や実験から学んだ基礎的な
   内容の蓄積があって、実務的な内容の理解につながっていると感じた
   一日でした。次回の実験も楽しみです!』

基礎化学講座開講!


今日から、本校では「基礎化学講座」が始まりました。この講座は、高校で学ぶ化学の内容や、
週に3回開講している基礎化学の復習を中心に、平日学科の学生を対象に全15回にわたって
毎年実施している講座です。

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本校に入学する学生には、高校時代に化学を履修していなかった文系出身の学生、全く理科に
ついて学ばなかった商業高校出身の学生も少なくありません。そのような学生も、卒業後には
食品や医薬品、環境、バイオ等といった、化学に関連する仕事に就きたいという希望を持って
入学しています。そのような学生たちが、1年次の前期のうちに、しっかりと基礎固めをして
より専門的な学習に臨みたいと考え、この講座を受講しています。

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この講座のトップバッターはせんぱい先生が担当。少し講座を見学させていただきましたが、
せんぱい先生は基礎化学の授業担当でもあり、学生がつまずきやすいポイントをしっかりと
説明しながら講座を進めていました。日常の授業と異なり、受講者も20名程度の人数です
から、練習問題に取り組んでいるときには、個別に理解度を確認しながら講座を進めている
様子でした。休憩時間に受講した学生の声を聴いてみると・・・。

  『高校時代は文系だったので、授業で分かっているのか、分かっていないのか
   判断できない状態でした。高校での学習は広く浅くだったので、深い内容は
   全く授業を受けていません。今回、基礎化学講座を受講して、理解している
   部分とそうでない内容とを、自覚することができました。また、少人数制で
   質問がしやすくてよかったです。』(1年 生命バイオ分析学科 S君)

  『基礎化学講座を受けて、基礎化学の授業ではっきりと見えていないところが
   はっきりしてきました。また、普段の授業では分かっていたつもりでしたが、
   その理解度が100%でないことに気付くことができました。自宅でも復習
   して、確実な知識にしたいと思います。』(1年 生命バイオ分析学科 N君)

化学分析の実務に必要な知識と技術は、短い期間で身に付けることはできません。根底と
なる化学の基礎をしっかりと学び、その上で種々の分野に必要な専門的・実務的な技能を
身に付けていく必要があります。平日の学科・土日開講の化学分析コースを問わず、特に
1年生はこの期間にしっかりと基礎固めをし、また2年生以上の学生はその基礎を土台に
それぞれが希望する進路に欠かせない技能を修得してほしいと思います。

by あすみ