2014.06.01
本校には、平日に通学できない社会人やフリーター、大学生等を対象とした
土曜日・日曜日開講の「化学分析コース」があり、技術職への就職や転職、
現職でのキャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に
必要な国家資格の取得などの様々な入学目的を持った学生が在学しています。
このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、化学分析コースは、
1学年あたりの定員を20名とする少数精鋭で開講しています。
また、土曜日・日曜日の通学で、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の
国家資格も卒業と同時に全員が取得することができます。
本日の1年生の基礎化学実験は、次回以降の実験のガイダンスと、これまでに提出した
レポートの添削指導を行いました。
実験を通して技術を修得するには、その実験で、どのような技術の修得を目指している
のか、実験で用いる手法の原理はどのようになっているのか、そして実験操作はどのよう
に行うのかといったことを、予め学んでおくことが不可欠です。
そうすることで、実際に実験を行う時に、単に手を動かしただけということにならず、
1つ1つの操作の意味や注意すべき点を考えて実験を行えるので、より深く技術を修得
することができます。
また、レポートの添削指導では、報告書の書き方を学ぶだけではなく、考察や課題など
の指導を通じて、実験の原理や考え方の定着を図ります。
このように、実験にも予習と復習が欠かせないわけです。
本日は、「アセチルサリチル酸(頭痛薬の成分として有名なアスピリン)の合成と分析」の
実験について説明を行いました。
この実験では、合成と精製の基本的な技術の修得を目指しますので、まずは合成が
どのように進むのかといったことから丁寧に説明します。
合成した後は、前回までの実験で学んだ薄層クロマトグラフィーと滴定の技術を使って、
自らが合成した物質が本当に目的とするアセチルサリチル酸であるのか、
合成したアセチルサリチル酸の純度はどのくらいなのかといったことを分析します。
この分析実験では、より実践的な分析技術の修得を目指しますので、前回の復習と、
今回の実験で留意すべき点や計算方法などの説明を行いました。
ガイダンスの後で、学生に感想を聞くと
『化学分析コースのカリキュラムの中では数少ない有機合成の実験とのことなので、
この機会を大切にして、合成や精製の基本技術をしっかりと修得したいと思います。』
『今回の実験では、自らが合成した試薬を、前回までに学んだことを活かして分析する
ことになるので、前回よりも実践的な実験で、どのような結果が出るのか楽しみです。』
と話してくれました。
ガイダンスに引き続き、レポートの添削指導を行いました。
全体的な注意事項の説明の後は、個別指導を行いました。
個別指導を通して、実験の原理などのより一層の理解が深まっている様子でした。
このような丁寧な個別指導が行えるのも、少人数制の化学分析コースの良さです。
ガイダンス、実験、レポート作成、レポートの添削指導といった1つ1つのステップを
大切に積み上げて、技術と知識に磨きを掛けて、即戦力となれる分析化学者を目指しましょう。
byみなと