2014.06.08
本校には、平日に通学できない社会人やフリーター、大学生等を対象とした、
土曜日・日曜日開講の「化学分析コース」があります。
週末を活用することで、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の
国家資格も卒業と同時に全員が取得することができます。
このコースに在学する学生の入学目的は、例えば、技術職への就職や転職、
現職でのキャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に
必要な国家資格の取得など多彩です。そして、多種多様な目的に対応するため、
1学年あたりの定員を20名として、少数精鋭で開講しています。
本日、1年生は、准講師(非常勤)のH先生の「化学分析法I」の授業がありました。
この授業では、化学分析で用いる実験器具の名称や扱い方、冷却や溶解などの実験操作、
さらに加熱や撹拌などで用いる実験装置の構造や扱い方など、化学分析の基礎を学びます。
本日は真空についての講義でした。
質量分析計や電子顕微鏡といった分析機器では、装置内を真空状態にする必要があるため、
真空ポンプが付いています。
そのため、上述のような分析機器をきちんと使いこなすには、真空の意味、真空ポンプの
種類と性能、さらには圧力の単位などについても、修得しておく必要があります。
真空の度合いを表す圧力の単位の説明では、物質の状態と温度・圧力の関係を示す図を
用いて圧力についての理解を深めたり、以前使われていた単位と現在、主に使われている
国際単位との関係を示したり、基礎から丁寧に説明しておられました。
授業後に学生に感想を聞くと、
『社会に出ると器具や機器の基礎はあたり前になって、あまり教えてもらえないので、
この授業で基礎をきちんと修得したいです。今日も、普段、会社で使っている真空ポンプ
の構造を知ることができ、装置への理解が深まったので良かったです。』
『説明やプリントが分かりやすく、1つ1つの操作の意味をしっかり学べています。』
といったコメントを話してくれました。
真空ポンプといった周辺機器や単位など、学ぶことは色々ありますが、1つ1つ基礎から
学ぶことで、しっかりとした知識になりますので、着実な歩みを続けていきましょう。
昨日に引き続き、道頓堀川の水質調査が行われました。
本日は、昨日から培養していた大腸菌や一般細菌の集合体(コロニー)の数を数えて、
大腸菌や一般細菌による汚染の状況を調べました。
ほとんどの1年生が初めて細菌学的検査を行うので、まずは上級生が丁寧に実験操作を
説明していました。
説明の後、上級生がお手本を示しながら、コロニーの数を数える作業が開始されました。
最初はぎこちない手つきだった1年生も、実験を進めるうちに、段々慣れてきていました。
コロニーの数を集計して、本日の作業は終了となりました。
上級生は、ここ数日の雨が原因なのか、大腸菌・一般細菌ともに多いと感じたようでした。
正式な結果は、後日、本校のHPに掲載予定ですので、お楽しみにお待ち下さい。
道頓堀川の水質調査は、普段の実験以外で、さらに実験技術を修得できる機会である
だけではなく、学年を越えた交流も深まる貴重な機会です。
この伝統ある活動を、これからもつないでいって下さいね。
byみなと