2014.06.22
本校では、平日の学科には通学できない社会人や大学生等を対象とした、週末(土曜日・日曜日)
開講の「化学分析コース」を設置しています。週末だけの通学となりますが、平日の学科と同様に
2年間で卒業でき、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の
国家資格を卒業と同時に取得することができます。このコースに在籍する学生のほとんどは社会人
ですが、現職でのスキルアップや技術職への転職を入学目的とされる方、事業の拡大を考えている
経営層の方以外に、就職活動を見据えて技術力を高める目的で入学される大学生も在籍しています。
在校生の多種多様な入学目的を達成するために、このコースは20名の少数精鋭で開講しています。
今日は午後から実験を行いましたが、2年生は分析機器を使用して、食品や医薬品、
環境水中の成分など、企業での分析業務と同様に、実際の試料を分析する実験を実施
しています。これまでに修得した知識・技術を活かし、実際の試料を分析することを
通して実務的な経験をすることが目的の一つです。
今日の実験テーマは、食品中の栄養成分であるビタミンCの定量(含有量を測定)で、
使用した分析機器はHPLC(高速液体クロマトグラフ)です。
化学分析コースの卒業研究は平日の学科よりも早い7月下旬からスタートしますが、
今日の実験では、それぞれの役割分担を決めて、複数の準備を同時並行に行うことを
課題としていました。短時間で多くの試料を分析する必要がありましたが、入学から
1年と3ヶ月が経過した2年生ですので、テキパキと準備を進め、与えられた時間で
全ての分析操作を終え、データの処理までしっかりと実施できていました。
Aさん(写真の女性)は、医薬品分析などの仕事に転職したいと、化学分析コースに
入学した学生ですが、使用したHPLCは医薬品分析には欠かせない分析機器であり、
いつも以上に集中して取り組んでいるように見えました。実験後、次のような感想を
聞くことができました。
『今日は多くの操作があり、いつも以上にみんなで声を掛け合ってミスが
ないように分析を進めました。その結果、商品の成分表示の値と比べて
誤差のない分析結果が得られ、しっかり分析できたと実感しています。
今日までの経験と今後の実験等を、来月から始まる卒業研究でも活かし、
充実した研究内容になるように頑張っていきます。』
卒業研究は、本校での学びの集大成です。現在、学生たちは卒業研究の準備を進めて
いますが、今までの実験で得られた経験がフルに発揮できるよう、これからの実験も
目的意識を持って進めてほしいと考えています。
by あずみ