2014.06.29
本校では、平日の学科には通学できない社会人や大学生等を対象とした、週末(土曜日・日曜日)
開講の「化学分析コース」を設置しています。週末だけの通学となりますが、平日の学科と同様に
2年間で卒業でき、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の
国家資格を卒業と同時に取得することができます。このコースに在籍する学生のほとんどは社会人
ですが、現職でのスキルアップや技術職への転職を入学目的とされる方、事業の拡大を考えている
経営層の方以外に、就職活動を見据えて技術力を高める目的で入学される大学生も在籍しています。
在校生の多種多様な入学目的を達成するために、このコースは20名の少数精鋭で開講しています。
化学分析コースの2年生は、7月下旬からスタート(平日の学科・コースの学生たちは
9月中旬からスタート)する卒業研究に向けて着々と準備が進められています。先日は、
PFD(プロセス・フロー・ダイヤグラム)の提出があり、今日は卒業研究に使用する、
器具・試薬などの必要物品リストの提出です。
PFDは、卒業研究のフローチャートに、各操作を行う上で必要な資源・エネルギーと
それに伴って発生する環境への影響をまとめたものですが、環境に配慮した事業活動が
必須とされるこの時代において、学生が卒業後に働く企業においても、たた分析操作を
分かりやすく図化するだけでなく、環境への影響も考えて実務を進める必要があります。
本校は、平成12年8月に、環境管理の国際規格ISO14001の認証を取得していますが、
卒業研究においても環境への影響を考慮して研究計画を立てるように指導しています。
そのPFDの作成を終え、次は卒業研究の中で、どの時期までに何を進めるのか、更に
どの内容を何回行うのか等々について、綿密なスケジュールを立て、卒業研究全日程で
必要な試薬などの数量を明確にしていきます。
本校の卒業研究は、指導担当の教員から研究テーマが与えられるわけではなく、学生が
取り組みたいと考えているテーマについて、その研究の独創性や将来性、実現可能性を
考慮して、多くの論文や文献に目を通し、実際に取り組む研究内容を具体化し、明確に
していきます。これは、卒業研究の骨組みを造り上げる上で最も重要なプロセスです。
その重要な計画段階では、グループのメンバーは平日も連絡を取り合い、登校日である
土曜日・日曜日には綿密にミーティングを行い、役割分担を明確にして、作成物は相互
確認をしながら進めてきました。先日提出されたPFDに続き、今日は試薬・器具等の
必要物品リストが提出されました。
T君(写真左端)から、以下の感想がありました。
『今まで、「研究」を行った経験がなく、研究のフローチャート化や、
必要な試薬・器具のリストアップを含めた計画の立案は大変でした。
全てが計画通りに進捗するとも思えませんが、計画と実際との間に
生じるギャップなどの問題を一つずつ解決しながら、研究を進めて
いきたいと思います。』
これで、卒業研究の骨格はしっかりと仕上がりました。来月からの開始に向け、しっかり
準備のツメを行い、良いスタートが切れるように頑張ってほしいと思います。
by あずみ