2014.08.07
暦の上では立秋でありますが、秋とは程遠い強い日差しの中、
高校の理化学教員対象の大阪府教育センター認定講座
『第15回授業で使える化学実験会』が本日開催されました。
定員の50名を超えるお申し込みを頂いておりましたが、
ご欠席の先生がありましたので、ご参加頂いた先生は48名となりました。
では、今日行われました実験についてダイジェストで簡単にご紹介しましょう!
実験の楽しさだけでなく、先生方の「化学実験を授業に取り入れたい!」
という熱意が少しでもお伝えできればと思っております。
そして、残念ながら日程などのご都合で今日ご参加頂けなかった先生方にも、
「たくさん仲間がいる!」と感じて頂けたら幸いと存じます。
(長文になりますが、少しお付き合いください。。。)
【実験1】青い温度計
とある試薬を使って、自分で温度計を作るという実験です。
温度調整が命の実験。先生も真剣です!
とある溶液とはこれ。塩化コバルトの溶液です。
塩化コバルトの溶液を薄めるために、水を加え、撹拌する先生。
撹拌のスピードがあまりに早くて、先生の持っておられる試験管がカメラに写りません!
最終的には温度によって青~紫~ピンクの変化を示す温度計が出来ました!
【実験2】びっくり!氷でお湯が沸く
先生方が白い箱を覗いておりますが、これ、珍しいものではなく、電子レンジです。
なんでそんなに覗き込んでいるかというと、電子レンジで温めたお湯に氷を入れると、
お湯がブクブクブクッ!と沸くという実験なのですが、電子レンジで温めたお湯に
刺激を与えずに、そぉっと取り出す必要があるので、その様子を皆さんで見守っているのです。
そしていよいよ、氷を入れる際には、沸騰の瞬間を画に納めようと、アイドル並みの取材攻勢に!
【実験3】アミノ酸を探せ!
実験で使うものはコチラ↓
並んでいるものは、お料理教室かと思うような、台所にあるものばかりですが、
この中のどれにアミノ酸が含まれているか探そう!という実験です。
使う反応はニンヒドリン。
アミノ酸があると紫色に変色します。
指紋の検出などでも用いられる試薬としても有名です。
結果は、アミノ酸が含まれていないと、もちろん紫色にはなりませんが、
アミノ酸が含まれていても、その量によって微妙に紫色が異なり、こんな感じに。
【実験4】大根vsイモ
ここで使うモノは、大根にじゃがいもにでんぷんのり、そしてうがい薬。
これ、台所でもできる実験です!
まずは先生方には、大根さんチームと、おイモさんチームに分かれて頂いて、
おろし金でシャリシャリとおろして頂きました。
次に、うがい薬とでんぷんのりを入れてかき混ぜます。
すると、結果はこんな感じ。
本来、うがい薬のヨウ素とのりのでんぷんによって、ヨウ素デンプン反応が生じ、
紫色になるはずが、野菜に含まれるアミラーゼでデンプンが分解され、
紫色が薄れてしまいます。
ちなみに、左が大根で右がじゃがいもなので、アミラーゼパワーが強い大根の勝ち!
というように見えるのですが、大根にはビタミンCが豊富に含まれていますので、
それによってヨウ素の色がそもそも消えちゃったという合わせ技でした。
【実験5】絵具は化学反応☆
あらかじめ、ある試薬を浸み込ませ、乾かしておいたろ紙に、
別の試薬を絵具に見立てて絵を描く実験です。
この実験の不思議なところは、絵具に見立てて使っている試薬が無色透明なところ。
無色透明な液体なのに、筆で描くと、あらかじめろ紙に浸み込んだ試薬と反応して、
カラフルな色が浮かび上がってきます。
先生方も夢中で、生徒の気持ちになりながら色の変化を楽しんでおられました。
先生方の力作はこちら!
こうして5つの実験すべてが終わり、「化学情報交換会」が行われました。
化学情報交換会は、5つのグループに分かれて頂き、
先生方が実際に授業などで使用しておられる教材などをご紹介頂いたり、
授業で困っておられるお悩みを、同じ立場の先生方で共有し、
解決策をご提案いただいたり、今回行った実験を授業に展開するための
アイデアなどをお話し頂いたりします。
教材をお持ちいただいた先生方には、ご参加頂いた先生方に発表をして頂きました。
そして最後は、先生方同士でご自由に交流を深めて頂くための「交流会」。
少しでも多くの実験情報を得ようと、会場はこんな感じに。。。
そして、化学熱冷めやらぬまま、今日の一日のプログラムが終了しました。
では、今回参加された先生方から感想を頂いておりますので、一部抜粋してご紹介しましょう。
▼まずはリピーターの先生の感想です。
(大阪府立西寝屋川高校O先生)
▼そして、初参加の先生。
こちらの先生は、香川県からご参加頂いた先生。
先日放送されたEテレ『テストの花道』で本校のことを知り、
今回ご参加頂けたようです。遠路ありがとうございました。
(香川県立高松西高校Y先生)
また、直接教員のほうに口頭で寄せて頂いたコメントも
ご紹介しましょう。
▼こちらは文系の学生に指導されている先生です。
「昨年度もお世話になり、続けて参加させていただきました。
文系の学生に指導をするため、工夫して実験を行っています。
この実験会の内容は大変役に立っています。」
(大阪市立高校W先生)
▼こちらは高校の先生になってから5年間、継続リピーターの先生です。
今日は化学情報を提供して下さいました!ありがとうございました!
「新任の1年目から5年連続参加させて頂いております。
いろんな高校の先生のお話やアイデアをいつもたくさん
頂いております。本当に助かっています。
来年もまた来ますので、よろしくお願いします!」
(大阪府立登美丘高校K先生)
▼こちらは恐る恐る参加された先生。その真意は・・・?
「今年が初めてです。教員歴も浅いため、いろんな情報をたくさん
頂きたいと思って参加したのですが、実は、参加する前は少し不安でした。
専門学校が主催されているということで、学校の宣伝がバンバンなされて、
求めている情報があまり得られないのではないかと思っていたのです。
しかし、今回参加して、純粋に化学実験の情報提供や他の高校の先生方との
交流ができ、なおかつ、この学校の先生方も非常に良くして下さり、
結果的に学校の中身を知って、素敵な学校だなと思いました。
明日は、生徒を連れて高校生向けの実験会にも参加しますが、
ますます楽しみになってきました!」
(滝川第二高校N先生)
今年度で15年目となるこの実験会。
なじみの先生もたくさんいらっしゃって、実は今回参加された先生の6割がリピーターの先生。
実験会はもちろん、本校のことも愛して下さっています。
こうした先生方のご期待に沿うように次年度も教職員一同頑張りたいと思います!
そして、今回初めてご参加頂いた多くの先生には「私も来年から毎年来よう!」と
思っていただけたようですので、来年も笑顔で再会できることを今から楽しみにしています。
「少しでも生徒に理科を楽しいと思ってもらえるように。。。」という熱い思いで、
暑い中、自主的に参加されている先生方とこうして毎年お会いするたびに、
本当に頭が下がる思いでいっぱいになりますし、私たち教員もたくさんのエネルギーを頂きます。
さて、明日は高校生向けの実験会『すぐできる!なるほど・ザ・化学実験会』です。
今日、先生方から頂いたエネルギーを明日の駆動力にしていきたいと思います。
ご参加頂く方は、気を付けていらして下さいね。
よし、今度は、高校生の笑顔をたくさん頂くぞー!!
byすくろーす
※長文にお付き合いいただきありがとうございました。