2014.08.09
本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。
1年生は午後から「定性分析実験」に取り組みました。この実験は、
調べようとする溶液の中に「何が含まれているのか」、化学反応を
利用して調べる実験です。調べる対象は23種類の金属イオンです。
4月から化学の基礎的な実験に取り組み、また授業でも定性分析の
理論について基礎から学んできましたので、今日の実験については
知識面でも技術面でも、予習はバッチリという状態で臨んでいます。
ただし、理論どおりの結果が得られるとは限らないのが実験です。
授業で、「鉛イオンに塩酸を加えると白色の沈殿物が生じます」と
いう説明を聞いても、実際に加える塩酸の濃度や量によって沈殿が
生じる場合とそうでない場合があったり、また加え過ぎてしまうと
沈殿が溶けてしまったり。そのような発見があるからこそ、実験は
面白いのだと思いますし、ベースとなる授業での理論に実際の実験
結果などが上積みされて、技術だけでなく知識の引き出しも増えて
いくのです。今日の実験操作を終えた学生たちは、時間のある限り、
実験の中での新しい「発見」について、検証するための確認実験を
行っていましたので、感想を聞いてみました。
M君(写真左)
『実験結果は、授業やテキスト通りでないこともありましたが、先生たちがその
理由について解説してくれるので、難しいとは思わずに、面白さを感じます。』
S君(写真右)
『授業の板書は数行の説明なのに、そこには深い理論があることが分かりました。
基礎的な理論を授業で学び、実験では技術だけでなく、深い知識が学べるので
知識と技術が身に付きやすいと感じました。』
教員である私も、実験を通して毎年新しい発見があります。定性分析実験は始まった
ばかりですが、今後も実験の中で発見を繰り返して、技術はもちろんですが、知識の
幅も拡げてほしいと考えています。
by あずみ