2014.09.07
本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。
今日で、前期の期末試験が終了し、いよいよ授業も前期の大詰めに入っています。
この時期の授業では、前期に学んだことのまとめを行い、後期で身に付けるべき
内容について紹介する様子がよく見られます。今日は、I先生が教科担当である
2年生の授業「統計工学I」を少し覗いてみました。
この科目では、前期に実験や研究の結果となるデータをどのように取り扱うのか
というルール(平均値やばらつきの特徴を調べるなど)を主に学び、後期からは
実験データと理論値、または別のデータと比較して、客観的に実験データを評価
する手法を学びます。これから本格的に進める卒業研究において、研究データを
自分たちの感覚ではなく、正しい判断ができるようになるためにも、この手法を
マスターしなければなりません。化学分析の技術を学び、実際に分析値が出せる
ようになっても、このプロセスができてこそ一人前の分析化学者と呼べるのです。
授業後に、学生たちから次のような話があったようです。
『データが近いとか正しいとか、自分たちの感覚で主観的に判断しては
いけない理由がよく分かりました。』
『卒業研究でも授業で学んだことを実践して、データを適切に取り扱い、
自分たちの研究目的を達成したいと考えています。』
実験データは、その取り扱い方を間違えてしまうと、全く意味をなさない数字へと変化します。
それまでの間に頑張って実施した研究も、振り出しへと戻らなくてはなりません。そのような
ことのないよう、1年生の授業や実験から少しずつ慣れてきたわけですから、それらの復習と
後期の授業内容を卒業研究に活用し、2年間の総まとめを行って欲しいと強く考えています。
by あずみ