2014.09.16
夏休みも終わり、今日から後期が始まりました。
みんな元気に登校し、いつもの賑やかな学校に戻りました。
早速、2年生の卒業研究が始まりました。
これまでにもこのブログの中で、卒業研究に関する話し合いや
調べ物などをしている学生の様子をお伝えして来ましたが、
それは全て、今日から始まる卒業研究の準備でした。
その卒業研究が、「今日から開始!」と言っても、
いきなり実験をするわけではありません。
まずは、ガイダンスとして、実験を行う上でのルールや
注意事項の説明と確認が行われます。
下の写真は、生命バイオ分析学科 2年生のクラスで、
ガイダンスの行われている様子です。
みんな、集中して話を聞いています。
ここで、本校の卒業研究の概要を少し説明すると、
まずは、数名のグループ単位で行います。
一般的な卒業研究と言えば、大学で行われる卒業研究のイメージで、
個々にテーマを持って取り組むものと思われるかもしれません。
しかし、実際に企業で働き始めた時、その業務は個々で行うのではなく、
チームを組んで行われることが多いです。
そのため、本校の卒業研究では、グループ内で協力し合って
進めて行くことで、チームワーク力を養うことも目的としています。
また、実験を行う上での日程や時間は、
通常の時間割に組み込まれているので、
夜遅くまで実験をすることもありません。
これも、企業で働くことを想定して考えられています。
企業では、無制限で実験や仕事をできるものではありません。
決められた時間の中で、結果を出していくことが求められます。
本校の卒業研究では、1日の実験を1限目から4限目の中で行い、
その実験日も原則として週に2日と決まっています。
そのため、前もって計画を立てて、時間を有効に使う必要があります。
その計画を立てる上では、担当の先生や班員との話し合いも
大切になり、互いに報告や連絡、相談を頻繁に行うことも必然的に
求められます。
このようなシステムは、一見、窮屈なイメージを持たれるかも
しれませんが、働いてからのことを想定した設定にもなっており、
企業の方からは、評価を頂いております。
さて、ガイダンスを終え、早速、実験を始める班がありました。
この班では、シトルリンと呼ばれる、ウリ科の植物に含まれる
物質について研究をしていく予定です。
まずは手始めにと言わんばかりに、
1年生の後期に使用した分析機器を用いて、
測定を行っていました。
この写真だけでは分かりにくいかと思いますが、
みんな、当り前のように機器を操作したり、試薬を準備したり
しています。しかし、入学時には、この機器の名前すら知らなかった
学生ばかりです。
そのことを考えながら、分析機器の前で、自然に操作を行っている
姿を見ると、わずか1年と半年ですが、成長したなと感じます。
久々に白衣を着ての実験も楽しそうです。
卒業研究は、こうして実験もスタートしましたが、
これからの半年、各班でチームワークを発揮して、
良い結果を出してもらいたいと思います。
こちらは、同じく実験がスタートした、
4年制学科の医療からだ高度分析学科の2年生です。
2年制学科の学生は、上記のように卒業研究が始まりましたが、
4年制学科の2年生もその中に混じって実験を行います。
実際には、一定期間ごとに、複数の班を周りながら進みます。
こうして各テーマで行われる実験をすることで、
そのテーマの中で使用する分析機器だけでなく、
実験の進め方や考え方を体感しながら知ることができます。
一般に、卒業研究と言えば、
1つのテーマに対して取り組むことが多いため、
このように複数のテーマを体験することは、
非常に貴重な経験にもなります。
写真左端のKさんは、
「いろいろなテーマの卒業研究を行えるので、
今から楽しみです。いずれ、自分達で行う卒業研究でも
生かしていけるように、勉強したいと思います。」
と、話していました。
Kさんは、将来、医薬品や医療関連の分野で活躍できる
分析化学者を目指しています。
そのためにも、いろいろな知識や技術を修得していく予定です。
これから2年制学科の学生と一緒に取り組む卒業研究では、
Kさんの望む医薬品をテーマにしたものから、
食品や環境をテーマにしたものまで幅広くあります。
将来、働く分野が医薬品や医療分野とは言っても、
豊富な知識と技術を持っていれば、必ず生かせることも出てきます。
将来の立派な分析化学者を目指すためにも、
この経験を大いに役立ててもらいたいと思います。
By ぽてと