2014.10.11
本校には、平日に通学できない方を対象に週末(土曜日・日曜日)だけの通学で、
平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業
責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格も卒業と同時に全員が取得すること
ができる「化学分析コース」があります。
このコースでは、技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ、
勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得などの多種多様な
入学目的を持った学生が学んでいます。
また、このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、化学分析コースは、
1学年あたりの定員を20名とする少数精鋭で開講しています。
分析の手法には、ガラス器具を用いて自らの手で行う方法(手分析)と分析機器を用いて
行う方法(機器分析)があり、1年生も前期に行った基礎化学実験の中で、滴定などの
手分析や、吸光光度計という装置などを用いた機器分析を経験しています。
(滴定の実験の様子はこちらから、吸光光度計を用いた実験の様子はこちらからご覧下さい)
企業等の分析の現場で広く行われている機器分析では、様々な分析機器が用いられるため、
それぞれの機器について、きちんと知識と技術の両方を修得しておく必要があります。
本校では、少人数のグループで実験を行うため、必ず全員が実験操作を体験するので、
日々の実験を通して、様々な分析機器の操作方法を体で覚えることができます。
それと同時に、装置を正しく操作し、正確なデータを得るためには、それぞれの分析機器
の測定原理や特徴、装置の構造を理解することが重要です。
そこで、私みなとが担当する「機器分析法II」の授業では、機器の特徴や構造といった
技術の基礎となる知識を学び、正しい技術の修得につなげることが目的です。
本日の授業では、分析の現場で使われることのとても多い、高速液体クロマトグラフ
という液体試料中の成分を分析する装置の構造について講義をしました。
この装置は、前期の基礎化学実験で一度使っているので、その時の実験内容や注意点
などを復習しながら、講義を進めました。
写真は試料を注入する部分の構造について説明しているところです。
授業が終わった後で、学生に感想を聞くと、
『先日、実験で高速液体クロマトグラフを使った時は正しく操作することで精一杯
でしたが、今日の授業を聞いて、この装置の構造がきちんと把握できて、実験の時の
注意点などがしっかりと理解できました。』
『高速液体クロマトグラフは現在の職場で使っている装置なので、とても身近ですが、
構造などきちんと理解できていなかったこともたくさんあったので、今日の授業で
学んだことを早速、仕事に活かしていきたいと思います。』
といったコメントを話してくれました。
技術と知識は車の両輪のようなもので、両方がきちんと揃ってこそ、意味があります。
授業や実験のガイダンスで学ぶ知識と、実験を通して体で覚える技術の両方を着実に
修得して、分析化学者として成長していきましょう。
by みなと