2014.10.14
今日は何を書こうかしら?と思いながら、ぶらりと実験棟へ。
5階の実験室へ入ると、安全キャビネット(無菌状態で微生物などを操作する装置)を使って
卒業研究をしている生命バイオ分析学科2年生の2人組を発見!
真剣な目つきで実験を行っているので、彼らの邪魔にならないように
そろりそろりと背後へ回りました。
と、ん?何か見慣れた物体が安全キャビネットの中に並んでる・・・。
お、おにぎり!
ここで、生命バイオ分析学科2年のH君に研究内容を聞くと、
「最も微生物が繁殖しないおにぎりの握り方について研究をしています。
お弁当などに入れるおにぎりをより安全に食べることが出来るように、
いろんな条件で握ったおにぎりを、インキュベーター(ある一定の温度で微生物などを保管し、育てる装置)
の中に入れ、どのおにぎりが一番微生物が繁殖しないか?ということを確認するため、
時間ごとに微生物の増殖状況を確認しているんです。
僕は、もともと胃腸が弱く、こうしたことには非常に興味を持っていましたので、
担当のましおか先生の話を聞いて面白そう!と思い、この研究をすることにしました。」
とのこと。
運動会や行楽シーズンで、おにぎりがいろんなシーンで登場する季節ですので、
その辺は気になるところですが、実はこの研究、6月に行われた
よみうりテレビの朝の情報番組『す・またん』の取材がきっかけでスタートしました。
※取材の様子はコチラ
その時の番組スタッフからの依頼は、
1)手洗い後握る、2)手洗い後塩水を付けて握る、3)ラップで握るの3つの方法のうち、
どれが一番微生物の繁殖を防ぐことが出来るか?ということを検証するというものだったのですが、
取材依頼から放送までの時間が非常に短期間で、責任を持って公表できるデータが揃わなかったので、
別の実験(台所のスポンジに非常にたくさんの微生物が繁殖していることを示す実験)を
放送することとし、おにぎりについては放送を見送らせて頂いたもの。
ちょうど撮影に立ち会っておられた ましおか先生が、
「これはおもしろい!学生と一緒に、きちんと立証できるデータを取って発表したい!」
ということで、学生に持ちかけたところ、学生も
「おもしろそう!」ということで、卒業研究のテーマとして採用されたのです。
ちなみに、『す・またん』の番組スタッフの方にも、
「卒業研究でおもしろい結果が出たら連絡くださいね」と
仰っていただいておりますので、結果が出る来年の2月頃に
学生の研究データが番組で取り上げられるかも!?
操作が終わると、おにぎりは生命バイオ分析学科2年のTさんの手によって、
再びインキュベーターの中に。。。
さてさて、次のサンプリングまでにどれくらい菌が繁殖しているのでしょうか?
次に、3階の実験室に降りると、
機器分析化学実験をしている生命バイオ分析学科1年生に遭遇。
バッテン先生が担当されているガスクロマトグラフィーの実験でした。
ガスクロマトグラフィーを初めて体験する生命バイオ分析学科1年Yさんは、
緊張しながら測定溶液を機器に注入。
こっち向いてもらえます?という私の問いかけに、緊張しながらこちらを向いてくれました。
後期から始まった機器分析化学実験についてYさんに感想を聞くと、
「将来は化粧品か食品メーカーで分析の仕事をしたいと思って本校に入学しました。
今回のガスクロマトグラフィーもそうですが、先週行った高速液体クロマトグラフィー
の実験もとても面白かったです。特にこれら2つの機器は、将来自分が進みたい分野で
かなり使用されるため、それを1年生の今の段階で扱うことが出来るということで、
将来を思い描きながら実験が出来、とても充実しています。」 とのこと。
機器分析化学実験はまだ始まったばかりですので、これら2つの機器以外にも
まだまだたくさんの分析機器を扱う予定です。
しっかりと技術を身に付けて、将来の夢を実現してほしいと思いました。
byすくろーす