2014.10.26
本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。
この週末、1年生は何が含まれているのかを調べる「定性分析実験」に
取り組みました。対象成分は金属イオンですが、各金属の性質によって
6つのグループに分離し、そのグループの中でさらにイオンを分離して、
最後に確認試薬を使って、特定の金属が含まれているのかを確認します。
この「分離」や「確認」に使用する化学反応は、今後の実験や、実際の
仕事の場でも、何かの成分の量を調べる「定量分析」や、分析操作上の
妨害物質を取り除く前処理に活用されますので、この実験で定性分析の
技術だけではなく、幅広い知識と技術を修得することができます。
今回の実験は、6つあるグループの4つ目(第4族といいます)の実験、
このグループには金属アレルギーの代表的な成分であるニッケルという
金属も含まれています。上の写真の赤色の物質は、ニッケルが含まれて
いることを確認する反応によって生じますが、アクセサリーに加工する
金属材料にニッケルが含まれているか否か、含まれている場合にはその
量を分析する時にもこの反応が使用されます。
みなと先生から、そのような話を聞いた学生は、
『一つひとつの実験で学ぶ化学反応が、色々な実験や分析の仕事に
つながっていることを知りました。』
『ニッケルフリー(ニッケルが含まれていない)のアクセサリーと
聞くこともありますが、このような分析で確認した材料を用いて
いることを知り、この定性分析実験が身近に感じられました。』
などと話をしていたようです。
授業や実験に取り組んでいると、その内容だけに注目してしまうことが往々にして
ありますが、自分が進みたいと思っている仕事等との関連を考えてみると、非常に
面白いし、学習意欲もさらに向上するかも知れません。来週も、頑張りましょう!
by あずみ