せんせのブログ

改めて思う本校が天満橋にある意味~第33回創立記念行事にて~

2014.11.19

本校の創立記念日は10月1日で、これまでも創立記念行事と称し、
建学の精神の確認や、分析化学に関わる歴史を教職員全員で勉強する日としてきましたが、
今年度は諸般の事情で今日がその記念行事となりました。

昨年の第32回の創立記念日では、今や大人気の天空の城「竹田城跡」を観光した後、
生野銀山では金属の、ビール工場ではビールの発酵やビール瓶に使用されているガラス加工について勉強しました。
※詳しくはブログを参照ください ⇒ https://www.bunseki.ac.jp/teacher_blog/2013/10/post-7717.html

第33回目となる今年は、どこで何をするのかなぁなんて期待しておりましたら、
学校の前を流れる大川を水上バス「アクアライナー」でクルージングと聞き、
「残念!化学とあまり関係ないんだ・・・」と思いながらも、
この時期にしか見れない川の両岸の紅葉を楽しめるので、ここは景色を楽しもう!と思って乗船しました。

乗船してすぐに見えたのが、天満橋と本校と紅葉のコラボ。
いつもは天満橋を渡りながら見る学校ですが、川面から見上げる学校はまた違ったように見えました。
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教職員の皆さんも毎日見ているのに、学校が見えてくると、何故かテンションが上がり、
船外を必死に見ておられました。(ミジンコ先生のみ、ちゃっかりカメラ目線でピースサインですが(笑))
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大川のクルーズでは、たくさんの橋の下をくぐります。
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水面から見上げる橋は驚くほど低く、水位が増えた時はどうするんだろ?なんて思っていたら、
「実は天井が30cm下がるんです」という船内アナウンスが。
そして、天井を支えているパイプがどんどんと縮んで、天井が低くなり、
船内では人が立てない高さになりました。すごいですね。
(パイプが縮んだ様子を分かりやすいようにかりめろ先生と一緒に撮って見ました)
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そうこうしているうちに、何だか大きな洞穴みたいなものが見えてきました。
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実はこれ、その当時アジア最大規模であった「大阪砲兵工廠(おおさかほうへいこうしょう)本館」の
荷揚用の水門で、太平洋戦争敗戦まで大日本帝国陸軍の軍事工場として使われていたということでした。
しかし本館は取り壊され、その場所には現在「大阪城ホール」が建っています。

ただし、砲兵工廠の「化学関係の調査・試験を行うための庁舎」として1919年に建てられた
「旧化学分析所」は当時のままの建物が残っており、船内から見ることが出来ました。
この建物は、現存する遺構(現存する過去の建築物、工作物、土木構造物など)の中では最も規模が大きいそうです。
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本校の所在地である天満橋には、日本で初めて化学教育を行っていた学校「舎密局(せいみきょく)」があったことや、
貨幣製造だけでなく、そのために必要な様々な化学薬品の製造がなされてきた「造幣局」があることは知っていたのですが、
こんなに近くに化学、しかも化学分析に関係する建物があったことは全く知りませんでした。

そして、こうした化学にゆかりのある天満橋という場所で、化学産業を支える化学技術者養成のため、
これからもしっかりと教育していかねばと改めて思いましたし、化学技術が軍事に使われることなく、
「人々の生活を便利で豊かにし、安心と安全に役立てる」ようになればという思いを強く思いました。
また、なぜ創立記念行事にこのクルージングが選ばれたのかをここでようやく理解することができました。

さてさて、気が付けばあたりは暗く、再び天満橋の船着き場(八軒屋浜)に戻ってきた時には、天満橋もライトアップされていました。
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※出発してすぐの景色と帰りの景色では全く印象が異なります。

また、船を下り、アクアライナーを見ると電飾が点いており、それはまた美しい情景でした。
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川面から美しい景色を見上げながらの水上散歩は、短い時間ながらも、
ここ天満が「日本の化学の発祥地」と言われる要因をまた一つ学ぶ楽しい旅となりました。
そして、本校が天満橋に存在する意味というものも感じた時間となりました。

クルージング終了後は、創立記念日を皆で祝うための席が設けられ、
教職員全員が一言ずつ話をさせて頂きました。
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これまでのことを振り返り、いろんな逸話が披露されましたので、
「へぇそんなことがあったのか」なんてことも聞けて、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
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来年、第34回目の創立記念日をみんな笑顔で迎えられるように、明日からがんばろうと改めて思った一日でした。

byすくろーす