せんせのブログ

見えてきた!実験とその周辺とのつながり

2014.11.02

本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。

1年生は今日、何が含まれているのかを調べる「定性分析実験」に取り組みました。
対象成分は金属イオンですが、この実験で使われる化学反応は、化学分析の実務に
多く用いられます。例えば、昨日1年生が実験した、醤油中の塩分濃度の分析にも
この定性分析実験で学んだ「銀イオン」の反応が活用されています(昨日の様子は
こちらをご覧下さい。)

基礎的な実験で物質の性質を理解し、それを利用して食品や河川水などの実試料を
分析する応用的な実験を行いますので、本校に入学して初めて化学を学ぶ学生でも、
無理なく理論を理解し、技術を修得することができます。

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「定性分析実験」では、金属イオンの性質によって、6つのグループに分類します。
今日の実験は、5つ目・6つ目のグループ(5族・6族といいます)に分類される
カルシウム・マグネシウム等の性質を学びます。下の写真は実験の一コマですが、
溶液を強アルカリ性にするとマグネシウムは沈殿物になるのに対し、カルシウムは
沈殿物になりません。また、マグネシウムとは反応しないのに、カルシウムとだけ
赤色に変化する反応もあります。これらの性質を利用すればミネラルウォーターの
硬度(硬水・軟水などの目安)を測定することができますので、来月の初旬に市販
ミネラルウォーターの硬度測定を行います(昨年の様子はこちらをご覧下さい)。

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1年生も、授業と実験、そして実験と実験のつながりを実感し始めているようです。
以下は、U君(下の写真)学生のコメントです。

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 『これまでは、定性分析実験と他の実験は全く別のものという印象でしたが、
  定性分析実験と他の実験との関連がハッキリしたので、新鮮に感じました。
  今日の実験を通して、来月行う硬度測定の原理(色の変化等)を見ることが
  でき、講義では漠然としていたイメージが明確になりました。今回の経験を
  しっかりと覚えておきたいと思います。』

来月は、今日の実験内容を応用して、ミネラルウォーターの分析を行います。今日の実験内容を
しっかりと復習して理解し、来月の実験では学んだ化学反応を使いこなして欲しいと思います!
来週もガンバリマショウ!

by あずみ
※明日は祝日(文化の日)のため、学校はお休みです。
 次回の更新は11月4日(火)です。お楽しみに♪