2014.11.15
本校の環境委員会は、学校前の公園の清掃や空き缶のプルタブの回収などの様々な
活動を学生が主体となって行っています。
特に、年4回の道頓堀川の水質調査は平成16年から10年にわたって続いている伝統
ある活動です。
この活動では、調査のための準備から、川の水の採取、水質の分析、そして結果のまとめ
まで、学生が中心となって、進めていきます。
13日のブログにもあるように、今年度3回目の調査に向けて木曜日から準備を始め、本日
から調査がスタートしました。
また、10日のブログにもあるように、今回の調査では、上級生から1年生への技術の伝承
も大きな目的です。
まずは、サンプリング担当の学生たちが、道頓堀川で採水しました。
採水直後に測定する必要のある項目は、その場で測ります。
環境関連の就職を希望している資源分析化学科1年のIくん(写真の学生)は
『環境委員会の活動にも興味があって入学したので、本年度の第1回目から参加して
います。様々な水質分析の技術を学ぶ機会になっており、充実しています。』
と話してくれました。
採水された川の水は実験室に運ばれて、溶存酸素(水中の酸素の量)や大腸菌など
の測定が行われます。
そこで、実験室では、水が届いて来るまでに、先輩と後輩が一緒に、準備を進めていました。
川の水が届いて来たので、測定項目ごとに分かれて、実験が始まりました。
溶存酸素を求めるための滴定操作を行っていた資源分析化学科1年のKくん(写真右端の
学生)に話を聞くと、
『これまでの水質調査の時は、先輩の指示に頼っていましたが、後期から始まった定量
分析実験で今行っている滴定の方法を学んだので、今回は原理を理解して自力で取り組む
ことができています。さらに、これまで先輩が仰っていた注意点の理由も分かるように
なったので、より一層技術を修得できていると実感しています。』
と頼もしいコメントを話してくれました。
隣の実験室では、大腸菌などの細菌検査のために、培養などの作業が行われていました。
先輩に見守られながら、作業を進めていた生命バイオ分析学科1年のWさん(写真の右
から2番目の学生)は、
『私はバイオ関連の就職を希望しているので、このような細菌培養の実験は楽しいですし、
水質調査を通して、バイオに関する実験技術も修得ができるので、うれしいです。』
と感想を聞かせてくれました。
明日以降も引き続き、水質調査を行います。
1つ1つの実験方法を確実に引き継いで、伝統ある活動を継承していってくださいね。
本校には、平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の「化学分析コース」
があり、技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ、勤務先や
自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得などの様々な入学目的を持った
学生が在学しています。
このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、化学分析コースは、1学年あたり
の定員を20名とする少数精鋭で開講しています。
また、土曜日・日曜日の通学で、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格
も卒業と同時に全員が取得することができます。
本日、化学分析コース1年生は定量分析実験で、滴定を行いました。
1年生は入学以来、食酢中の有機酸(主に酢酸)の濃度を測定する実験などを通じて、滴定
という実験操作は何度も行ってきましたが、今回は2種類のアルカリ成分が含まれた試料
を用い、それぞれの成分の濃度を求める方法の修得を目指します。
そして、本日は試料を測るための準備として、自分たちで調製した試薬溶液の濃度を
滴定で決定する操作(標定と言います)を行いました。
先ほども書きましたが、滴定という実験操作は何度も行ってきたので、実験を行う手つき
も随分と慣れてきました。
ホールピペットというガラス器具で、試薬溶液を一定量測り取っています。
標定の実験中です。滴定で用いるビュレットやコニカルビーカーといったガラス器具を
正しく使って、スムーズに測定しているので、教員も安心して見守れます。
半年あまりが過ぎ、実験の技術にも成長が伺えます。
これからも、より一層技術に磨きを掛けて、分析化学者へと1歩1歩成長していきましょう。
byみなと