2015.01.18
本校には、平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の
「化学分析コース」があります。週末を活用することで、平日の学科と
同様に2年間で卒業することができ、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業
責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格も卒業と同時に全員が
取得することができます。
このコースに在学する学生の入学目的は、例えば、技術職への就職や転職、
現職でのキャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に
必要な国家資格の取得など多彩です。そして、多種多様な目的に対応するため、
1学年あたりの定員を20名として、少数精鋭で開講しています。
上で述べたように、化学分析コースには様々な目的を持った学生が入学してきますが、
資格取得は全員共通の目的と言えます。
資格の中でも、化学分析の技術を証明してくれる唯一の国家資格である化学分析技能士の
資格取得は化学分析コースの大きな目標といえます。
化学分析技能士の受験では、本校が実技試験の会場に指定されているため、慣れ親しんだ
実験室で実技試験を受けることができますし、2級の受験には実務経験が2年必要ですが、
本校は厚生労働大臣の指定を受けているため、卒業生は受験に必要な実務経験2年が免除
されます。
(昨年も卒業生が受験に来ていました。その日の様子はこちらから。)
そして、昨年夏に2年生が合格した3級は在学中に取得が可能であるため、1年生にとって
大きな目標の1つです。
また、化学分析技能士の実技試験では、定性分析実験(金属イオンの持つ化学的性質を
利用して、試料溶液中に含まれる金属イオンを検出する実験)と、滴定という手法を用いた
定量分析実験(試料中の成分濃度を測定する実験)が行われるため、1年生は授業や実験を
通して、実技試験で必要な知識と技術を学んでいます。
本日、1年生は午後から定量分析実験があり、様々な種類がある滴定の中でも溶液中の金属
イオンの濃度を測定する「キレート滴定」を行いました。
先日行った飲料水の硬度(カルシウム、マグネシウム)測定と実験手法としては同じですが、
金属によって、手順や使う試薬、反応による色変化が異なるので、本日は銅とアルミニウム
の測定方法について実験を行いました。
銅イオンの濃度を測定しています。紫色から黄緑色への色変化で、測定の終了が分かります。
アルミニウムイオンの測定では、加熱を行い、一定時間、溶液の色が黄色を保つことが
できれば測定終了となるため、溶液の色を見つめています。
実験を終えた学生に感想を聞くと、
『キレート滴定は、試料溶液のpHを調整するなど、これまでの滴定よりも手順が複雑で
大変でしたが、実際に実験を行うことで、滴定の速度や色変化を見極めるタイミングなど、
留意すべき点が色々とあることが分かったので、しっかりと覚えたいと思います。』
『今後、化学分析技能士を取得したいと思っているので、どの滴定が出題されても大丈夫
なように、これまでに学んだ滴定の方法も含めて、きちんと復習して、着実に技術を修得
していきたいと思っています。』
と話してくれました。
次回の定量分析実験では、化学分析技能士の実技試験の雰囲気に少しでも慣れることが
できるように、本番さながらに実技試験を行いますので、誤差の少ない結果が得られる
ように、これまでに学んだ滴定の方法をしっかり復習しておきましょう。
by みなと