2015.01.29
今日は、2月7日(土)に実施する卒業研究発表会の本番に向けて、
予行演習を行いました。
ここ数日の、このブログでも度々、学生が発表練習をしている様子を
お伝えしていますが、まずは、この日の予行演習を本番として考え、
練習をしていたのです。
でも、予行演習とは言っても、流れを確認することが目的ではありません。
むしろ、それぞれのグループの発表内容を、先生や発表をする他の学生、
みんなで見て、気付いた点を指摘し合うことが主な目的です。
そして、本番に来て頂いた方々に理解して頂くため、
今のスライドで良いのかを考え直す機会でもあります。
さらに、他のグループの発表を見ると、表現の仕方や話し方、
スライドの作り方などで、「良いな」と思った点は、
自分達のグループにも生かすことができるので、非常に貴重な時間でもあります。
早速、1班目からスタートしました。
最初は、においに関する研究です。
駅や公園のトイレのにおいについて、気になる方も多いと思います。
そのにおいを脱臭・消臭する方法を検討し、提案することを目的とした実験です。
この実験では、人の鼻のにおいの感覚(嗅覚)に近い状態で分析ができる
「におい識別装置」を用いています。実際に、学生達も実験中に、
いろいろなところへ出向いては、においをサンプリングして、
分析をしていました。
この分析機器は、全国で多く使用されている機器ではないため、
珍しい分析機器でもあります。
しかし、人の感覚に近いデータが取れるとあって、面白い分析機器でもあります。
扱い方については、コツがいるのですが、この機器を開発された、
株式会社 島津製作所の方にもアドバイスを頂きながら研究を進めています。
こうして、環境を浄化する新たな方法に関する研究、
新しい有機材料を作ろうとしている研究、
新しい釣り用の餌を開発しようとする研究、
資源の新たな有効活用をしようとする研究、
新たな分析方法を開発しようとする研究、
食品中の成分の新たな効果を見出そうとする研究など、
これまでには無かったことを新たに発見しようと、
これまでに培った分析技術を用いた研究が、
多分野にわたって順番に発表されました。
この写真は、食品(おにぎり)に繁殖する微生物について調べ、
発表している様子です。
実は、この実験、意外なところからスタートしました。
それは、卒業研究のテーマを決めようとしていた昨年の6月、
読売テレビの朝の情報番組、「す・またん!」から取材を頂いたことが
切っ掛けでした。
内容は、食中毒が流行る時期に向け、
食品に繁殖する微生物を調べてもらえないかという依頼でした。
その時の取材の様子は、こちらをご覧下さい。
この時、いくつかの食品を持ってきて頂いたのですが、
その中に弁当にも入る「おにぎり」があったのです。
その握り方や、握る前の手洗い方法などの違いで、微生物の繁殖具合は
異なるのだろうか?さらには食中毒の予防はできるのか?
という検証を取材時に試みたのですが、相手は微生物という生き物であり、
検証して結果が出る頃には、テレビの放送時間を過ぎるということで、
残念ながら、放送は見送られ、お蔵入りしていたのでした。
それならば、卒業研究としてしっかりとデータを出して立証しようと
学生も担当する先生も立ち上がり、このテーマで研究を行うことになったのです。
これは、実験をしていた時の様子です。
学生の手元には、おにぎりが!
実験日は、まず最初に実験室でご飯を炊くところからスタートしていました。
下の写真は、インキュベータという一定の温度に保つ装置に、
おにぎりを入れるところです。
笑顔で写っているのは、生命バイオ分析学科2年のTさんです。
実験室なので、食べられないのですが、
いつも食べたそうな様子で実験をしていました(笑)。
この実験がスタートした事を「す・またん!」で取材に来られた方にお伝えすると、
「卒業研究でおもしろい結果が出たら連絡くださいね」と言って下さりました。
その後、実質4ヶ月で実験をして結果を出した研究内容も気になるところですが、
「す・またん!」で取り上げられるのかというところも、気になるところです!
こうして、発表が終われば、聞いていた学生や先生からの質疑応答の時間です。
研究内容も多分野ですが、同時に本校の講師の専門分野も多分野にわたるため、
いろいろな角度から、質問が出てきます。
先生方の質問にスムーズに対応できたグループは少なく、
ほとんど苦戦していました。
でも、この苦戦したことで自分達の作成したスライドや、発表の仕方にも
さらに改善できる点があることに気付きます。
残り、約1週間ですが、もう少しグループのメンバーで考え直し、
本番当日は、納得のいく発表にしてもらいたいと思います。
卒業論文の提出もあるので、メンバー全員と、担当の先生と、
みんなであと少し走り切りましょう!
By ぽてと