2015.04.05
本校には、平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の「化学分析コース」
があり、技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ、勤務先や
自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得などの様々な入学目的を持った
学生が在学しています。
このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、化学分析コースは、1学年あたり
の定員を20名とする少数精鋭で開講しています。
また、土曜日・日曜日の通学で、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格
も卒業と同時に全員が取得することができます。
上にも書きましたように、入学してくる学生の目的は様々ですが、その経歴も様々です。
高校や大学で文系だった方も多く、ほとんど化学を学んだ経験がない方もおられます。
そのため、授業や実験は必ず基礎から始まり、実務的な内容などの応用へと着実に
積み上げていきます。
これは、1つ1つの科目においてもそうですし、2年間の在学期間を通しても同じです。
つまり、1年で学んだ基礎を基に、2年でより専門的な内容を学んでいきます。
化学分析コースでは、平日学科より一足早く平成27年度の授業が始まりました。
2年生の今年度最初の授業は、准講師(非常勤)のI先生の「統計工学I」でした。
分析化学者は正確に測定する技術も、もちろん大切ですが、正しく結果を評価するため
には、測定で得た数値データを適切に扱えることも大切です。
1年生では主に実験の中で、簡単な数値の取り扱い方、例えば結果として表示すべき数値
の桁数の決め方や、測定で得られた数値を結果として採用しても良いか検討する方法など
を学んできました。
統計工学Iでは、このような数値の取り扱い方を、統計学の観点から系統的に学びます。
本日は導入部として、統計学とはどのような学問なのか、化学分析における統計学の
役割は何なのか、といった全体像を把握することを目的とした授業だったようです。
なお、上の写真にあるプリントは「授業シート」と呼ばれるもので、授業や実験で
毎回配られます。
授業シートには、その日の授業や実験で、どのような項目を学ぶのか、それぞれの項目の
重要ポイントは何なのか、といったことが記載されています。
そして、一番右端には、学生自身が自らの理解の度合いを判定する欄もあります。
このプリントは自らの理解の状況を見える化できるだけではなく、教員に質問する時に
理解の状況を教員に伝えことにも役立ちます。
また、復習や定期試験の試験勉強、場合によっては資格試験の試験勉強でも、重要ポイント
を確認し、効率的に勉強を進めるためのツールとしても活用できます。
このような授業シートがあることで、化学初心者の方でも安心して、化学を修得すること
ができます。
授業を終えた学生たちに感想を聞くと、
『時間割で統計という文字を見て難しそうに感じ、また数学関連の授業を受けるのも
久しぶりなので、授業が始まるまでは不安でしたが、I先生の説明がとても丁寧だったため、
安心しました。しっかりと学んでいきたいと思います。』
『この授業を受けて、2年生の授業はより専門的かつ実務的になっていくのだなという実感
が湧きました。また、分析化学者には適切に数値を取り扱えることも大切なのだと分かった
ので、この授業を通して、その方法を1つ1つ着実に修得していきたいです。』
と話してくれました。
この授業で学ぶ数値の取り扱い方は、2年生後期に行う卒業研究や企業等の現場で、
活用していくことになるので、着実に修得していきましょう。
by みなと