せんせのブログ

分析化学者への道のりは実験器具の使い方から!

2015.04.12

本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。

平日の学科・コースの授業は明日から始まりますが、化学分析コースの授業・実験は
先週の日曜日からスタートしています。本校では、入学するまでに化学を全く学んだ
ことがなくても、卒業時には各業界の分析化学者として活躍できる技能を身に付け、
それぞれの学生が希望する業界へ就職し、または希望する大学へ編入学していきます。

もちろん、そのような技能は短期間で醸成されるものではありません。全ての授業・
実験において、初歩から基礎、基礎から応用、応用から実務へとステップアップして
いきます。先日、入学したばかりの1年生にとって、この時期の授業は初歩的な内容
かも知れませんが、しっかりと化学を学んだことなく実務に就いている方にとっては
理解できていない内容も少なくないのです。

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午後からの授業を1コマ覗いてみると、H先生(大手塗料系メーカーで化学分析室の
立ち上げから40余年、分析実務と社員の技術指導に従事)の「化学分析法」でした。
この授業は、化学実験を安全かつ正確に行うために、化学分析や化学合成、それらの
前処理に使用する実験器具・機器の取り扱い方法、洗浄方法などについて学びます。
今日は、基本的なガラス器具の用途や取り扱い方法、洗浄方法についての説明でした。

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昨日は午後から「基礎化学実験」でしたが、その時間内にも同じような様子が見られ
ました。実験といっても、初回でしたので安全教育を中心としたガイダンスを行い、
その中で実際に実験室に移動して、これからの実験で使用する器具の名称と、正しい
使い方などについて、M先生(白衣の男性)から説明があったのです。

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(本来は、実験室では白衣と保護眼鏡の着用を必須としていますが、納品日の関係と
試薬等を一切使用しないため、私服のままで実験室に入室しています。)

H先生は授業で1年生たちに、実験上手になるために必要な要素について、学生に問いかけながら
話を進めていました。同じビーカーでも、材質が違うのはどうしてでしょう。同じビーカーという
名称が付く器具でも形が違うのはどうしてでしょうか。そのような疑問を持つこと、それが理解に
つながり、正しい器具の選択と取り扱いを可能にするというメッセージが、伝わったと思います。
分析化学者への第一歩を踏み出した1年生が、これからの成長ぶりが今から楽しみでなりません。

by あずみ