2015.05.24
本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。
2年生は午後から実験でしたが、「ガスクロマトグラフ」という分析機器の取り扱いに
ついて学んでいました。この分析機器は、気体になりやすい化合物の分析に多用される
機器ですが、どのような成分が含まれているか(定性分析)、どれだけ含まれているか
(定量分析)を調べることができます。化粧品や香料に含まれるかおり成分の分析や、
塗料に含まれる揮発成分、ガソリンに含まれる有害物質の分析や、環境水中に含まれる
農薬の分析などにも使用されています。
化学分析コースには、医薬品業界への就職や転職などを考えて入学する学生もいますが、
学生たちは医薬品と聞くと、「高速液体クロマトグラフ(HPLC)」という別の機器を
すぐにイメージして、今回修得する「ガスクロマトグラフ」の技能が活かせるシーンは
多くないと考えているようです。そのような中、教科担当のM井先生(写真奥の中央)
から「この機器は医薬品分析にもよく使用される」という話があり、学生たちは驚いて
いました。
写真のM君も、医薬品の開発や品質管理の仕事に従事したいという夢を持っていますが、
M井先生の話を聞いて、どう感じたのでしょうか。
『実験では試料の打ち込みが上手くいかないこともありましたが、次週もこの機器を
活用した実験ですので、しっかりと修得したいと思います。ガスクロマトグラフが
医薬品分析に用いられるというイメージはありませんでしたが、自分が進みたいと
考えている分野との接点が見えると、より一層やる気が大きくなります!』
学生たちは、このガスクロマトグラフが、医薬品分析においてどのように使用されるのかを調べ、
いくつかの分析事例を確認したようです。医薬品の製造に使用される揮発性の溶媒(気化しやすい
溶媒)などの不純物が医薬品に残留していないか、といった医薬品の安全性を確認する重要な検査
にも使用されているのです。これからの実験においても、それぞれが進みたい業界・分野において
どのような活用事例があるのかを考える、良い機会になったようです。次週も、頑張りましょう!
by あずみ