2015.06.27
本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。
7月の下旬からスタートする卒業研究に向けて、2年生の実験は総まとめの時期と
なりました。今日の実験は、HPLC(高速液体クロマトグラフ)という分析機器を
用いた分析を実践しています。今日は、化粧品に紫外線防止剤がどれだけ含まれて
いるのかを分析します。紫外線防止剤は紫外線を反射する成分と、紫外線を吸収し、
熱などに変える成分がありますが、今回はその後者の分析です。
化学分析コースの2年生には、平日の仕事で実際に化粧品や医薬部外品に関係する
仕事に従事している学生がおり、その会社の日焼け止め製品とその原料を持参し、
また女子学生は自身の化粧品を持参して、分析試料として実験を進めていました。
2年生の実験は、医薬品や食品、環境中の水などの実サンプルを試料として分析を
行う実験ばかりですが、化学分析コースの学生は、就職・転職を考えている業界が
多種多様ですので、何かの分野に特化せず、実験を通して様々なサンプルの分析が
経験できるのも化学分析コースの特徴といえます。
写真のE君は、就職先として化粧品・医薬部外品分野への就職を検討していますが、
今日の実験を通して感じたことを聞いてみました。
『HPLCを使用したのは久しぶりで、ぎこちないところもありましたが、
HPLCについての理解が深まりました。これまでは粘性のない水溶液を
分析していましたが、今回は実際の化粧品と粘性のある原料を取り扱い、
化粧品の品質管理の実務的な分析を経験することができました。また、
前処理等に有機溶媒を使用し、この機器の適用範囲の広さを感じました。』
化学分析コースは土曜・日曜に集中して学ぶコースなので、平日の学科・コースより約2ヶ月早い、
7月下旬から卒業研究も始まります。1年次の基礎的な実験から、今では実務的な実験へと着実に
技能も向上している2年生が、どのような研究テーマに取り組むのか、今から楽しみにしています。
by あずみ