2015.06.28
本校には、平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の
「化学分析コース」があります。週末を活用することで、平日の学科と
同様に2年間で卒業することができ、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業
責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格も卒業と同時に全員が
取得することができます。
このコースに在学する学生の入学目的は、例えば、技術職への就職や転職、
現職でのキャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に
必要な国家資格の取得など多彩です。そして、多種多様な目的に対応するため、
1学年あたりの定員を20名として、少数精鋭で開講しています。
化学分析コースの2年生も、平日の学科・コースと同様に、卒業研究を行います。
本校での学びの集大成とも言える卒業研究では、それまでに学んできた知識や技術を
復習し、より深く修得することも目的の1つです。
それと同時に、実験の計画を立てることなど研究の進め方といった実務的なスキルを
学ぶ機会でもあります。
そして、最後には、学校に求人をくださる企業の方や保護者の方なども参加される
卒業研究発表会で、その成果を発表します。
(昨年度の卒業研究発表会の様子はこちらから)
研究において、実験内容を決め、計画を立てることは、研究の成否に大きく影響する
非常に重要な作業です。
そのため、実際の実験は7月下旬から(平日の学科・コースの学生は9月中旬から)
始まりますが、その前に実験計画の立案や必要な試薬や器具のリストアップなどの準備を
行います。
先日、学生たちはPFDを提出し、本日は卒業研究に使用する試薬や器具などの
必要物品リストを提出しました。
PFDとはプロセスフローダイアグラム(Process Flow Diagram)の略称で、
実験の流れを示したフローチャートに、試薬の使用量やエネルギーの消費、廃棄物の
発生といった環境への影響を書き加えたものです。
先日、学生から提出されたPFDです。
本校は、平成12年8月に環境管理の国際規格であるISO14001を取得していますので、
卒業研究の実験計画を立てる上でも、ただ単に実験のフローチャートを作成したり、
必要な試薬や機器・器具を調べたりするだけではなく、環境への影響も考えるように
指導しています。
そのため、必要物品リストの作成でも、どのような内容の実験を何回行うのか
といったことを、しっかりと相談して、必要な数量を算出していきます。
そうして作り上げたリストが、本日、提出されました。
提出後に、学生に卒業研究の抱負を聞くと、
『研究を行うには、こういった前準備が大切なのだと分かりました。このことは、
仕事をする時も同じだと思うので、とても良い勉強になっています。実験が始まって
からも、仕事の進め方といった面でも、学んでいきたいと思います。』
『PFDと必要物品のリストを提出して、段々、卒業研究を行うという実感が
湧いてきました。そして、どんな結果が出るのか、今から楽しみです。』
と話してくれました。
PFDと必要物品のリストを提出し、あとは卒業研究の開始日を待つばかりです。
それまでに、卒業研究に関する知識をさらに増やして、充実した研究が行えるよう
準備を進めていきましょう!
by みなと