2015.07.12
本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。
2年生たちは午後から「機器分析実験」に取り組みました。それぞれの実験に、
マスターすべき技術や理論がありますが、この実験では、紫外可視分光光度計・
原子吸光光度計・赤外分光光度計・ガスクロマトグラフ・高速液体クロマトグラフ・
示差走査熱量計・蛍光分光光度計の原理や取り扱い方法等について修得します。
少し、実験の様子を見に行きましたが、これまでの実験の中でしっかり技術を
身に付けた2年生ですので、スムーズに実験を進めることができていました。
今日の実験で我々教員がテーマを与えて行う実験は終了です。今月下旬からは、
これまでに本校で修得した知識・技術を活用して、自分たちが取り組みたいと
決めたテーマの研究を行うことになります。
今日のテーマは、紫外線を当てると蛍光を発する物質が分析できる装置「蛍光
分光光度計」でした。この機器は非常に感度が高く、微量分析の分野で威力を
発揮する分析機器です。分析機器も多種多様で、調べたい内容と、その物質に
よって機器を選択しなければなりません。また、全てを機械が分析してくれる
オールマイティーな分析機器はなく、試薬溶液の調製、試料の前処理、機器の
条件設定などは人の手で行う必要があります。
そのようなことは、既によく理解できている2年生ですが、実験を終えた後に
記入されたクラス日誌(学生と担任のコミュニケーションツールの1つ)には
次のような感想が書かれていました。
『蛍光分光光度計の特徴として、高感度であることを授業で学びましたが、
かなり希釈した試料でもきちんと分析できたので、スゴイと思いました。
また、休憩の最中にコピー用紙にこの機器の光を当てると光(蛍光)が
確認できました。再生紙等を白くするために使われている蛍光増白剤が
光っていることを知り、とてもキレイで印象的でした。卒業研究開始に
向けて、それぞれの機器の特徴を復習しておきます。』
今月下旬からスタートする卒業研究では、これまでに学んだことをフル活用して、種々の分析を
行うことになります。この機器分析実験の内容は勿論ですが、これまでの復習をしっかりと行い、
卒業研究に臨んでほしいと思います。
by あずみ