2015.08.02
本校には、平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の
「化学分析コース」があります。週末を活用することで、平日の学科と
同様に2年間で卒業することができ、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業
責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格も卒業と同時に全員が
取得することができます。
このコースに在学する学生の入学目的は、例えば、技術職への就職や転職、
現職でのキャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に
必要な国家資格の取得など多彩です。そして、多種多様な目的に対応するため、
1学年あたりの定員を20名として、少数精鋭で開講しています。
本校では、卒業学年である2年生、4年生は学びの集大成として卒業研究に取り組みます。
卒業研究では、これまでに学んできた知識や技術を復習し、より深く修得することと
同時に、研究の進め方といった実務的なスキルを学ぶ機会でもあります。
そして、毎年2月に学校に求人をくださる企業の方や保護者の方なども参加される
卒業研究発表会で、その成果を発表します。
(昨年度の卒業研究発表会の様子はこちらから)
研究においては、実際に実験を行うことも大切ですが、その前に実験内容を決め、計画を
立てることも非常に重要な作業です。
そこで、化学分析コースの2年生も、4月以降、実験内容の決定や必要な試薬や器具の
リストアップなどの準備を進めてきました。
そして、本日、本格的に卒業研究がスタートしました。
(平日の学科・コースの学生は9月中旬からスタートしますが、化学分析コースは土・
日のみの登校なので、一足早くスタートしました)
卒業研究がスタートと書いてあるのに、なぜか机に座って、話を聞いています・・・
卒業研究では、もちろん我々教員が指導を行いますが、これまでの実験と異なり、
学生が主体となって進めていきます。
そのため、まず始めに実験を行う上でのルール(試薬の管理の仕方など)や今後の
スケジュール(卒業論文などの各種提出物の提出期限など)について、教室でガイダンス
を行いました。
その後、実験室に移動して、試薬の管理の仕方などをさらに実地で説明しました。
ガイダンスが終了して、いよいよ各班に分かれて、卒業研究がスタートしました。
准講師(非常勤)のM先生の班は実験で主に使用する分析機器の使い方を修得するため、
早速M先生の指導の下、練習の実験を始めました。
M先生による指導が一段落したところで、学生に声を掛けると
『原子吸光光度計(溶液中の金属の濃度を測定できる分析機器)は今までの実験でも
使ったことがあるので、基本的な操作は分かっていましたが、本日はM先生から細かな
留意点など実務的な指導を受けることができ、より一層、理解が深まりました。そして、
卒業研究が始まった実感が湧いてきました。充実した卒業研究にしていきたいです。』
と話してくれました。
私みなとが担当する班は、ガイダンスで聞いたスケジュールを基に、どの実験をいつまでに
完了させるか、誰がどの実験を分担するのかなど、詳細な実験計画を話し合っていました。
学生に感想を聞くと
『詳細なスケジュールを聞いて、実験ができる時間が少ないことを改めて実感しました。
しっかり計画を立てて進めていかなければ、時間が無くなってしまうと思い、本日は
話し合いを行いました。卒業研究発表会で胸を張って発表ができるように、協力し合って
実験を進め、成果を出していきたいです。』
とコメントをくれました。
本格的に始まった卒業研究。限られた時間の中ではありますが、どんな成果が得られる
のか、そして卒業研究を通して、学生たちがどのように成長していくのか、今から楽しみ
です。
by みなと