2015.08.07
今日も大変暑ーい大阪市でしたが、
本校でもそれに負けないほど暑ーい(熱ーい)イベントが開催されました!
「第16回 授業で使える化学実験会」です。
この実験会は、高校の理科科目ご担当の先生を対象としたものであり、
過去16年に渡って毎年開催してきましたが、
毎年大変ご好評をいただいており、
本日も、定員50名のところを60名まで拡大させていだくまでの
お申し込みをいただくことができました。
それでもキャンセル待ちが毎年出てしまう、という、
大変ありがたいくらい人気のイベントなのです。
参加者である先生方は、普段高校の化学教育の現場で生徒の指導に携わっておられるわけですが、
その授業・実験の参考となる、まさに本実験会のタイトルにある
『授業で使える』情報収集のために参加されます。
高校と専門学校という立場こそ違えど、
同じ化学教育に携わる立場として本校もそうした先生方の熱意に少しでもお役に立てればと、
約半年前より全教職員で準備を進めてきました。
そしていよいよ迎えた今日の実験会!
本校の教職員もスタンバイOK!参加者のお越しを今か今かとお待ちしていました。
そして続々と参加者がこられました。
ちなみに、この実験会はリピーターの先生が多い時には約半数もおられます。
教職員にとっても顔なじみとなった参加者にお会いできるのが毎回楽しみで、
受付の時にも「お久しぶりです!先生のお顔を見ると夏が来たって感じがします(笑)」
「今年も楽しみにしてきました」
「去年も来たかったんですけどあいにく予定が合わなくて・・・今年は来られてよかったです!」
などの会話が交わされました。
そしていよいよ開会!
スケジュールなどの説明もそこそこに、先生方お待ちかねの実験開始です!
本日は、5つの実験を提案させていただきました。
まず一つ目は、「カラフル化粧品の正体を暴け!」というもの。
色鮮やかな化粧品、この色の正体をご存知ですか?
実は、様々な金属の塩(えん)が入っているんです。
今日はその金属塩の定性を行いました。
先生方も童心に返り、楽しそうに手を動かしておられました。
ちなみに、男性の参加者にとっては化粧品は未知の世界・・・
「これは何に使うの?へえ、まぶたに付けるんですか...。このチップで?」
「高そうだなぁ。女の人って大変だなぁ。」
などと興味津々な様子で会話が弾んでいました(笑)
そして二つ目は「化学でツルンとみかんの皮むき♪」の実験です。
みかんの薄皮って綺麗にむくの、大変ですよね。
カンヅメのみかんは、ツルンとむけていますが、
これにチャレンジ!
ミカンをグツグツ~っとすると・・・
ツルン!(写真の上が、むけた状態です。)
成功率の高さに、参加者は「おお~!」と歓声をあげておられました。
そして三つ目は、「銅製葉脈標本を作ろう!」です。
葉っぱの葉脈にメッキをしていきます。
メッキとはいっても、電気を使わない、化学的な方法で行うメッキです!^ ^
写真だとわかりにくくて残念ですが、
葉脈のところにキラキラっと銅がめっきされています。
しおりになりそうですね!
皆さん、出来上がった標本を大切そうに持ち帰っておられました。
四つ目は、「カラフルこんにゃく!」という実験です。
包丁にまな板、ホットプレート、そしてこんにゃくや様々な野菜...
と実験室というより台所のような実験台です。
みなさんは、こんにゃくをいろいろな野菜と調理した時に、
緑色などに変化してビックリしたことはありませんか?
その謎を解く実験です。
ホットプレートで野菜とこんにゃくをグツグツ・・・
お昼時にはたまらないいい匂いを放っていました(笑)
最後にご紹介するのは、「『溶ける』と『混ざる』はどう違う?」という実験。
生徒が混同しやすいこの2つの用語について、
視覚的に理解させようという実験です。
とても綺麗な色の試薬を使用しました。
5つの実験はどれも大変好評であり、
参加された先生方も熱心にメモを取りながら
本校教員の話を聞き、手を動かしておられました。
そして実験会は後半へ!
白衣を脱いで、続いてはディスカッション開始!
「化学教育情報交換会~もっと『授業で使える実験にするために』~」と
題したこのディスカッションでは、
今回提案させていただいた5つの実験について、
もっと現場で使いやすくするためにどのような工夫ができるかを
話し合いました。
学校によっては、実験をする時間がほとんど取れなかったり、
また予算の都合で試薬が購入できなかったり、という問題があるのです。
それを解消するため、実験を短時間で実施する方法や
または試薬の変更などについて提案されました。
進行役に入った本校の教員も、そういった高校現場が抱える問題点を勉強させていただきました。
また、そういった問題点の抽出と解決策の提案だけにとどまらず、
もっと生徒の理解を深めるための工夫が提案されたり、
また、単に実験をして終わりではなく、そこからいろいろなことを考えさせるきっかけになるのでは?と
話法についても提案が出されたり、と実験テーマごとに活発な意見交換がなされました。
ディスカッションで挙がったご意見については、
皆で模造紙にまとめあげました。
そして各班の大作が仕上がったところで、
全参加者の前で結果発表です!
皆さん頷きながら他の班のご意見を聞いておられました。
そして、お次は参加者の先生の中で、普段、生徒指導に使っている教材を持参いただいた方がおられましたので
そちらをご披露いただきました。
生徒さんと試行錯誤しながら行っている課題研究についてご報告いただいたり
生徒さんを惹きつける演示実験をご披露くださった先生も!
その他、ご持参いただいた教材はプリントアウトし、
参加者の皆さんにお持ち帰りいただきました。
ご協力いただいた先生方、本当にどうもありがとうございました!
そしてあっという間に一日は終わり、閉会の時間となりました。
閉会後も、皆さん会場に残られ、
展示物をご覧いただいたり、先生方で意見交換を行ったり、
名残惜しそうに有意義に過ごしていただいていました。
名残惜しいのは私たち教職員もです。
また来年、参加者の先生方にたくさんの実験をご提案できるよう、
準備を進めたいと思います!
今日は丸一日お付き合いいただき、
本当にどうもありがとうございました!
byアビー