2015.08.09
本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。
化学分析コースは、今日から前期期末試験がスタートしました。午後の実験は、その緊張感からも
解放され、和やかに実験に取り組む様子が見られました。昨日のブログは、みなと先生が2年生の
卒業研究での様子を紹介しましたので、今日は1年生の実験をクローズアップしてみましょう。
1年生の実験は容量分析(滴定)です。中和反応を用いて、酸の濃度を求める実験です。すでに、
滴定はこれまでの実験で何度か経験していますので、学生の動きは入学時と比較するとスムーズ。
ただ、学生全員が1つのサンプルを複数の分析方法で分析した経験がありませんでした。今日は、
サンプルとなる酸の濃度を、通常の滴定方法(左側写真)とpHメーターを用いた電位差滴定法
(右側写真)を並行して行いました。異なる分析方法でも、最終的に得られる濃度は同じハズ!
さて、その結果はどうなったでしょう?
2つの分析方法で、データに違いが見られたようです。何故、異なる結果となったのでしょうか。
これは、レポート課題となりましたが、以下は実験後のTさん(下の写真)の感想です。
『今まで、通常の滴定操作しか経験したことがなかったので、pHメーターを用いる
電位差滴定は新鮮でした。pH指示薬の変色で滴定値を知る方法と電位差滴定では
少しではありますが結果が異なりました。どちらがより正確な値なのかは何となく
想像できますが、それぞれの方法のメリットも含めて考察しようと思います。』
一つのサンプルを異なる方法で分析した経験は、今後の実験はもちろんですが、実社会で分析を
行う際に一つの引き出しになると思います。来週は化学分析コースもお盆休みです。それぞれが
リフレッシュして、元気に再来週を迎えましょう!
by あずみ