2015.09.12
本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。
化学分析コースの1年生は午後から、定量分析実験に取り組みました。今日の実験は
先日のブログで紹介しました「重量分析」の二日目です。前回、溶液中の鉄を沈殿に
変えましたが、今回はその沈殿をろ紙ごと坩堝(るつぼ)という器具に移して徐々に
加熱していきます。最終的には約1000℃で加熱して組成が一定の化合物に変え、その
質量を電子天秤で測定します。このように測定したい成分の質量を直接天秤で測定
できる唯一の分析手法ですが、それだけに繊細な操作も少なくありません。
このように新しい実験に取り組むと、今まで使用したことのない器具類を取り扱う
シーンがでてきます。実験に向けたガイダンスでも説明は行いますが、それ以外に
本校の教員で執筆したテキスト「分析化学のべからず171」が活用されています。
"してはイケナイ"禁じ手とその理由等について説明していますので、学生たちは
先生の説明に加えて、このテキストで実験器具の取り扱い方の注意事項が理解でき、
安心して実験に取り組めると話していました。
分析化学の実務では、正しい分析結果を提供することが求められます。そのためには、
一つひとつの器具類を正しく取り扱うことが必要不可欠です。授業や実験を通して、
知識や技術を着実に修得してほしいと思います。
by あずみ