2015.10.01
こんにちは!ミジンコです。
今日、10月10日は本校の第34回目の創立記念日でした。本校の創立記念日は
これまでも創立記念行事と称して建学の精神の確認や、分析化学に関わる歴史を
教職員全員で勉強する日としてきました。
その内容は様々で、昨年の第33回目の創立記行事では、本校の前を流れる大川を
アクアライナーで巡り、天満橋周辺の歴史について学びました。実は、天満橋には
日本初の化学の学校である「舎密局(せいみきょく)」が設立された場所で、現在も
その史跡が残る場所でもあります。(当日の模様はコチラから)
今年は、日本分析化学会からご紹介を受けた理学博士の樋上照男先生をお迎えし、
「分析化学の教育」と題してご講演いただきました。本校の授業・実験の中でも
基礎的な部分として扱う内容から、樋上先生の研究分野まで多岐にわたりお話し
いただきました。
ご講演の後の質疑応答では、本校のみならず、日本の教育制度に至るまでアツい
議論が交わされていました。私ミジンコも、大変勉強になりました。
そして、こんなお宝も登場しました!
こちらは、日本で初めて刊行された日本語の科学書「舎密開宗」の写本です。
幕末に活躍した蘭学者宇田川榕庵がオランダ語の原書を翻訳し、注釈や実験の
結果も加筆しています。「舎密(せいみ)」はラテン語系オランダ語のChemie
(科学)の音訳で、「開宗(かいそう)」はもののおおもとを啓発するという
意味があります。
また、宇田川榕庵はこの本の中で、元素の名称や化学用語、生物学用語を翻訳し、
新たに言葉を作って国内に紹介しました。本校の名称にも含まれる「分析」という
言葉も、舎密開宗で登場します。もしかしたら、宇田川榕庵がいなけれ、本校の
名称も少し変わっていたかも!?と思ってしまいます。
そして、こちらは歴史の教科書でもお馴染みの「解体新書」のレプリカです。
江戸時代に活躍した蘭方医(西洋の医学を学んだ医師)であった杉田玄白によって
翻訳された医学書です。解体新書でも新たに「神経」や「動脈」といった言葉が
造られたことが有名で、日本の医学発展に大きく貢献した書籍です。
どちらも、その時代の息吹や情熱を感じることのできる書籍であり、現在の化学
や生物の教科書にも大きな影響を与えていることが分かります。
今日の創立記念行事を通して、化学や医学の発展にかけたアツい思いが本校まで
脈々と伝えられていると感じた1日でした☆
by ミジンコ