2015.11.22
本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少人数制で開講しています。
化学分析コースの1年生は、12月から1月にかけて実施される「定性分析実験」の
実技試験に向けて復習を進めています。定性分析は、調べようとする試料の中に何が
含まれているのかを調べる分析手法です。分析対象とする成分は金属イオンですが、
各金属の性質によって6つのグループに分離し、そのグループの中でさらにイオンを
分離し、最後に確認試薬を使って特定の金属が含まれているのかを確認していきます。
定性分析は、国家資格「化学分析技能士」の国家試験でも実技試験が実施されます。
化学分析コースに入学している学生は、「化学分析技能士」の資格取得を一つの入学
目的としている方も少なくありません。在学中でも受験できる3級はもちろんですが、
本校を卒業すると受験できる2級や、受験の要件として相当年数の実務経験が必要な
1級を目標としている学生もいます。ですから、制限時間や検出する金属イオンの数、
解答方法など、化学分析コースの実技試験は国家試験よりも難易度を高めに設定して
います。もちろん、テキスト等を参照することもできません。ただ、定性分析実験や
関連する授業で20種類以上の金属イオンの性質を少しずつ学んできた学生にとって
それほど高いハードルではありません。
今日は、本番の実技試験ではなく「プレテスト」を行いました。実技試験との違いは
フローチャートが参照できることです。2時間という制限時間を体感すること、また
それぞれが戦略を練った操作方法の確認することなど、それぞれが目的をもってこの
プレテストに取り組んでいました。
Tさん(写真右)はフローチャートも参照せず、実技試験と同じ条件でプレテストに
挑みました。プレテスト終了後に感想を聞いてみました。
『今回、何も見ずに実技試験と同じ条件で分析してみましたが、上手くいかない
ところもありました。ただ、どこが自分の弱点だったのかがよくわかりました。
でも定性分析は本当に面白いです。何が入っているのか分からないところから、
知識と化学反応で探っていくのが面白いです。実技試験本番では、全ての金属
イオンを検出したいと思います!』
定性分析実験の実技試験に向けて、覚えなければならない操作や確認反応は少なくありません。
また、制限時間もありますので、それぞれの操作の意味を理解して、実施するか否かを判断する
必要があります。ただ、これまでの先輩たちも全員が乗り越えてきたハードルです。ポイントを
復習し、質問などを通して疑問点を事前に解決して実技試験に臨んでくださいね!
by あずみ
※明日は祝日(勤労感謝の日)で本校はお休みです。
ブログの次回更新は11月24日(火)です。お楽しみに!