2016.01.23
本校では、平日に通学できない方を対象に、週末(土曜日・日曜日)開講の「化学分析コース」を
設置しています。通学は週末だけですが、平日の学科と同じ2年間で卒業でき、卒業時に無試験で
取得できる国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)も
全員が取得できます。このコースに在籍する学生は、平日学科の学生と同様に、化学関係の仕事に
就職したいと考えている方、既にお勤めの方はスキルアップを目指して、また事業の拡大を考えて
いる経営層の方など、それぞれの目的を叶えようとしています。このような、在校生の多種多様な
入学目的を達成するために、この化学分析コースは各学年、20名の少数精鋭で開講しています。
さて、化学分析コースも今年度の終盤の時期を迎えて、1年生は実験科目の実技試験が
スタートしています。今日は午後から、「定性分析実験」の実技試験に取り組みました。
化学分析コースの学生には、分析化学の実務的な技能を持つ証となる国家資格「技能士
(化学分析)」の2級または1級の取得を目標とする学生が少なくありませんが、この
技能士(化学分析)試験は筆記試験に加えて実技試験も課せられます。学生たちが今日
取り組んだ定性分析実験はその実技試験の科目でもあり、国家試験に向けた受験対策と
いう位置付けでもあります。
定性分析とは、調べようとするものの中に、何が含まれているのかを明らかにする分析
技術です。学生が化学反応を駆使して検出に努めた成分は金属イオンですが、この定性
分析が起源となって、製品化されたものも少なくありません。例えば、柳の樹皮などに
含まれる成分の定性分析から解熱沈痛剤のアスピリンが開発されたり、昆布に含まれる
成分の定性分析から旨味調味料が開発されたりと、医薬品・食品・材料・環境・バイオ・
化粧品・・・といった、多種多様な分野で欠かせない技術です。
今日の実技試験は2回目ですが、本日の時点で1級技能士の合格レベルに達した学生も
いれば、そうでない学生もいます。まだ、2月末までに2回の試験が残っていますが、
それまでに全員が1級技能士の合格レベルに到達するようにサポートしたいと思います。
全ての成分を正確に分析できた学生の一人、Hさんの感想です。
『定性分析実験、実技試験お2回目。覚えたはずの手順がいざ実技試験になると
思い出せなかったり、想定した化学反応が起きたり起きなかったり。なかなか
難しいものですね。しかし、1年次もあと1ヶ月、本当に早かった1年でした。』
技能士の国家試験(実技試験)は、本校が指定会場となっています。今日、実技試験を
受験した実験室が国家試験の会場になりますから、使い慣れた実験室で落ち着いて受験
することができます。この実験で学んだことをステップとして、技能士(化学分析)の
資格の取得に挑戦して欲しいと思います!
by あずみ