せんせのブログ

『PCR法』でDNAを増やしてみよう!

2016.05.17

実験を中心に分析化学を学んでいくのが本校の特徴ですので、
本校の学生は、1年生では分析化学者になるための基礎の実験を学び、
2年生では学科ごとの専門の実験を学んでいます。

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↑医薬バイオ化学実験の様子

今日は生命バイオ分析学科2年生の『医薬バイオ化学実験』がありました。
医薬バイオ化学実験では、微生物実験を始め、DNAの抽出、PCR法、
タンパク質や酵素の実験、さらに医薬品の品質試験の規格および試験方法が記載された
公定書(日本薬局方といいます)に基づいた医薬品分析の実験を行っています。

わたしは、その中の『PCR法』という実験項目を担当しています。
そこでPCR法という実験について紹介します。

PCR法とは、目的のDNAのコピーを大量に作り出すことができる実験方法です。
DNAはヒト、動物や植物をはじめすべての生物が持つ遺伝物質なので、
食品の品種鑑定や遺伝子組み換え食品の判定、アレルギー源の混入判定、
犯罪捜査など幅広く用いられており、バイオ実験の基礎となる実験です。

前回の実験でホウレンソウの細胞から取り出したDNAを元にして、
その一部分をPCR法で増やしました。
学生たちは実験当日までに原理を調べ、実験方法や必要な器具、
試薬を確認など実験の準備を行っているのでスムーズに実験が進みました。

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↑ 『PCR法』で増やしたDNAの確認中です。

写真は、実験中の様子です。流石2年生なので初めて行う実験でしたが、
慣れた様子で実験操作をしていました。

実験後、学生たちにPCR法の感想を聞いてみました。
「PCR法は医薬バイオ化学実験で楽しみにしていた実験の一つでした。
今回初めて行った実験なので、しっかりと実験の原理や実験の注意点を
まとめておきたいです。」
と言っていました。

将来、希望する分析化学者としての目標はそれぞれ異なりますが、
学生からは実験技術を自分のものにしたいという熱い気持ちが感じられました。
   
By Mac