2016.06.05
本校には、平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の「化学分析コース
(平成29年度入学生からは分析化学応用学科)」があります。週末を活用することで、
平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業
責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格も卒業と同時に全員が取得すること
ができます。
このコースに在学する学生の入学目的は、例えば、技術職への就職や転職、現職での
キャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家
資格の取得など多彩です。そして、多種多様な目的に対応するため、1学年あたりの
定員を20名として、少数精鋭で開講しています。
化学分析コース(平成29年度入学生からは分析化学応用学科)の2年生も、平日の学科・
コースと同様に、卒業研究を行います。
本校での学びの集大成とも言える卒業研究では、それまでに学んできた知識や技術を
復習し、より深く修得することも目的の1つです。
それと同時に、実験の計画を立てることなど研究の進め方といった実務的なスキルを
学ぶ機会でもあります。
そして、最後には、学校に求人をくださる企業の方や保護者の方なども参加される
卒業研究発表会で、その成果を発表します。
(昨年度の卒業研究発表会の様子はこちらから)
これまでの実験とは異なり、研究には新規性や独創性、将来性などが求められるため、
卒業研究でも、実験内容を決め、計画を立てる計画立案段階はとても重要となります。
そのため、実際の実験は7月中旬から始まりますが、その前に実験計画の立案や必要な
試薬や器具のリストアップなどの準備を行います。
今週、2年生は卒業研究の時間があり、計画立案の第1段階として、実験内容の決定と
PFDの作成を行いました。
こちらの班を担当する非常勤講師のM先生を交えて、実験内容を相談しています。
私みなとが担当する班は、過去の卒業論文を参考に具体的な実験方法を検討中です。
実験方法が決まったところから、パソコンでPFDを作成しています。
なお、PFDとはプロセスフローダイアグラム(Process Flow Diagram)の略称で、
実験の流れを示したフローチャートに、試薬の使用量やエネルギーの消費、廃棄物の
発生といった環境への影響を書き加えたものです。
本校は、平成12年8月に環境管理の国際規格であるISO14001を取得していますので、
卒業研究の実験計画を立てる上でも、ただ単に実験のフローチャートを作成したり、
必要な試薬や機器・器具を調べたりするだけではなく、環境への影響も考えるように
指導しています。
初めての卒業研究の時間を終えた学生に感想を聞くと
『それぞれの興味のあることと、実際にできることとできないことを検討して実験内容を
決めることは簡単な作業ではありませんが、班員や先生と相談しながら、進めています。
こういった過程1つ1つが新鮮で、卒業研究が始まったという実感が湧いてきます。』
『過去の卒業論文や参考資料を基に実験方法を検討しましたが、本当にこのような実験が
自分たちにできるのだろうかという不安と、どんな結果が出るのだろうかという好奇心の
両方があります。不安を減らすためにも、この後もしっかりと計画を立てていきたいです。』
と話してくれました。
計画の立案は研究の成否を握る重要なポイントの1つです。だからこそ、話し合いを
重ねて、しっかりと計画を立て、充実した卒業研究にしていきましょう。
by みなと