2016.11.20
本校には、平日に通学できない方を対象に週末(土曜日・日曜日)だけの通学で、
平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業
責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格も卒業と同時に全員が取得すること
ができる「化学分析コース(平成29年度入学生からは分析化学応用学科)」があります。
このコースでは、技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ、
勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得などの多種多様な
入学目的を持った学生が学んでいます。
また、このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、化学分析コース
(平成29年度入学生からは分析化学応用学科)は、1学年あたりの定員を20名とする
少数精鋭で開講しています。
化学分析コース(平成29年度入学生からは分析化学応用学科)の学生は様々な目的を
持って入学していますが、多くの学生に共通する目的に資格の取得があります。
上でも述べたように、本校では2年の課程を修めると、卒業と同時に無試験で取得できる
国家資格があります。
それと併せて、危険物取扱者、技能士(化学分析)、品質管理検定など、様々な資格の取得
も奨励しています。
本校では、取得を奨励する資格の多くについて、授業や実験が試験対策になっています。
例えば、「技能士(化学分析)」は化学分析の技術力を証明できる唯一の国家資格ですが、
その試験では実技試験が課されます。
そこで、本校では実技試験で課される実験を1年生のうちに修得します。だから、在学中
に受験可能な3級も、自信を持って受験することができます。
さらに、技能士(化学分析)の大阪の受験会場が本校となっているため、在校生や卒業生
は慣れ親しんだ実験室で、検定員の多くが顔見知りの教員という環境で、実技試験を受験
することができるので、安心して試験に臨めます。
これは本校の学生や卒業生にとって、大きなメリットです。
今週、化学分析コース(平成29年度入学生からは分析化学応用学科)の1年生は、技能士
(化学分析)の実技試験で課題となる定性分析実験(金属イオンの化学的性質を用いて、
試料中の金属イオンの種類を検出する実験)と定量分析実験(簡単なガラス器具を用いて、
試料中の目的成分の濃度を測定する実験)に取り組みました。
これらの実験では、本番の実技試験を落ち着て受けられるように、最後に本番さながらの
模擬的な実技試験を経験します。
写真は定性分析実験の模擬実技試験に向けて、学生が自由に練習しているところです。
写真には数多くの試薬瓶が写っていますが、これだけ多くの金属イオンを検出する技術を
これまでに学んできました。
学生たちは手順を1つ1つ確認しながら、また分からないところは、その都度教員に質問
しながら、着実に技術を修得しています。
さて、もう1つの課題である定量分析実験では滴定という実験技術が課題となりますが、
滴定には目的成分に合わせて様々な手法があります。
そして、級ごとに課題となる手法が異なるため、様々な手法を順次学んでいます。
今週は酸化還元滴定という手法を用いた鉄の濃度の測定方法を学びました。
この実験ではかなり色の濃い溶液を用いるため、ガラス器具の目盛の読み方など身に
つけなければならない技術を、手を動かしながら、体で覚えていきます。
どちらの実験も化学反応によって色変化が起こります。そういった変化を楽しみながら、
1つ1つの技術を確実に修得し、来年の夏には技能士(化学分析)3級を目指しましょう。
by みなと