2016.12.04
本校には、平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の「化学分析コース
(平成29年度入学生からは分析化学応用学科)」があり、技術職への就職や転職、現職
でのキャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な
国家資格の取得などの様々な入学目的を持った学生が在学しています。
このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、化学分析コース(平成29年度
入学生からは分析化学応用学科)は、1学年あたりの定員を20名とする少数精鋭で開講
しています。
また、土曜日・日曜日の通学で、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格
も卒業と同時に全員が取得することができます。
11月20日のブログで、化学分析コース(平成29年度入学生からは分析化学応用学科)
の1年生が化学分析の基礎となる定性分析実験(金属イオンの化学的性質を用いて、
試料中の金属イオンの種類を検出する実験)と定量分析実験(簡単なガラス器具を用いて、
試料中の目的成分の濃度を測定する実験)に取り組んでいる様子をご紹介しました。
前期後半から、これらの実験で基礎力を磨いてきた学生たちは、応用分析化学実験で
実践的な内容にも取り組み始めています。
この応用分析化学実験では、食品や河川水などを国や公的機関が定めた方法で分析する
という実務に通じる実験を行っており、今週はミネラルウォーターの硬度を測定しました。
硬度とは、水の中のカルシウムやマグネシウムの量のことで、味にも関わるため、
ミネラルウォーターの成分表示に記載されている値です。
学生の手にあるのは日本のミネラルウォーターのペットボトルです。実務をより実感
できるように身近な製品を用います。
実際の分析では、定量分析実験で修得した滴定という実験操作を活用します。滴定では
試料溶液の色変化で、操作の終了(終点といいます)を見極めることが重要になります。
そこで、担任でもあり、実験担当でもあるバッテン先生に、見極めのポイントなどを
直接指導してもらいながら、実験を進めていました。
このように、個別に直接指導を受けられるのも、少人数制の本学科の魅力です。
終点を見極めるためにミネラルウォーターに添加した試薬で赤紫に色づいた試料が
青色に変化したら、終点です。青紫ではなく、きちんと青に変わった瞬間を見つける
ことが、正確な実験結果につながります。
自分たちが実験で求めた硬度と、製品に表示されている硬度を比較したところ、
誤差の少ない結果が得られているようでした。
入学から8ヶ月、これまでに積み重ねてきた技術力に自信を持って、実務に通用する
技術へと磨きをかけていきましょう!
by みなと