2016.12.18
本校では、平日の学科には通学できない社会人や大学生等を対象とした、週末(土曜日・日曜日)
開講の「化学分析コース(平成29年度からは分析化学応用学科)」を設置しています。週末だけの
通学となりますが、以下の特徴は平日の学科と同様です。
・2年間で卒業が可能
・毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の
国家資格を卒業と同時に取得することが可能
このコースに在籍する学生は、高校を卒業後すぐに入学される方はもちろん、社会人の方も少なく
ありません。社会人の方は、現職でのスキルアップや技術職への転職を考えている方、事業拡大を
考えている経営層の方以外に、就職活動を見据えて技術力を高める目的で大学生も入学しています。
このように多様な目的に対応するため、このコースは学年定員20名の少数精鋭で開講しています。
さて、化学分析コースの1年生は、「定性分析実験」の実技試験を受験しました。
化学分析コースの学生は、分析化学の実務的な技能を保証する国家資格「技能士
(化学分析)」の2級または1級取得を目標とする学生が少なくありませんが、
この技能士(化学分析)試験では、筆記試験に加えて実技試験が課せられます。
この週末、学生たちが取り組んだ定性分析実験は、国家試験の試験科目でもあり、
国家試験に向けた受験対策という位置づけでもあります。
定性分析は、調べようとするものの中に、何が含まれているのかを明らかにする
分析技術です。学生が化学反応を駆使して検出を行う成分は金属イオンですが、
この定性分析が基となって製品化されたものも少なくありません。例えば、柳の
樹皮などに含まれる成分の定性分析から解熱沈痛剤のアスピリンが開発されたり、
昆布に含まれる成分の定性分析から旨味調味料が開発されたりと、医薬品・食品・
材料・環境・バイオ・化粧品・・・といった多種多様な分野で欠かせない技術です。
これまでの実験で、20種類を超える金属イオンの定性分析技術をマスターした
1年生たちは、今日から来年2月にかけて4回の実技試験を受験します。今日は
その1回目ということもあり、緊張した様子も見られましたが、試験が始まると
身体が勝手に動き始めたという感じです。
実技試験の終了後、学生が休憩する間にM木先生はすぐに採点を行い、休憩後に
結果を返却します。その結果から今日の試験を振り返って、上手くできなかった
箇所の確認や、質疑応答を終了時間まで熱心に繰り返していました。
現時点で「技能士(化学分析)」国家試験の合格レベルに達した学生もいますが、
実技試験はあと3回あります。今日の経験を活かして、各自が満足のいく結果を
出してほしいと思います。
そして、「技能士(化学分析)」の実技試験会場は本校の実験室ですので、使い
慣れた実験室で、落ち着いて受験することができます。この実験で学んだことを
活かし、「技能士(化学分析)」資格の取得に挑戦して欲しいと考えています。
by あずみ