2016.12.19
本校の学生が学んでいる分析化学とは、見えない物を見る素敵な技術です。
この技術を使えば、例えば、ジュースの中のビタミンCの量が分かったり、医薬品中の
有効成分の量が分かったりします。
この技術には、ガラス器具を駆使して手作業で行う方法(手分析)と機器を使う方法
(機器分析)があり、どちらも大切な分析技術なので、1年生では両方の技術の基礎を
学びます。
本日、資源分析化学科と有機テクノロジー学科の1年生は機器の使い方を学ぶ実験が
あったので、その様子をのぞきに行ったところ、実験棟の1階から学生の声が・・・
担当教員の指示を聞きながら、機器にガスを供給するためにガスボンベを開けて、圧力を
調整する作業をしていました。
こちらは液体中の成分を測るために分析化学の現場でよく用いられる装置に試料を注入
しているところです。
操作を終えた有機テクノロジー学科1年のI君(写真の学生)に感想を聞くと
『この装置は先に授業で学んでいたので実験の説明も分かりやすかったですし、実際の
装置に触れたことで授業の内容がより一層理解できました。さらに、実験では測定の合間
に先生たちが企業や大学などでの経験を話してくれるので、知識も広がり、楽しいです。』
と答えてくれました。
I君のコメントにもあるように、実験で装置に触れて操作方法を体で覚えると同時に授業で
装置の構造や測定原理などを学ぶことで、技術と知識が結びつくので、単なるテクニシャン
ではなく、分析化学者へと成長できるのです。
この写真は私みなとが担当する機器分析の授業です。テレビのリモコンにも使われている
赤外線を用いて物質の構造を調べる装置を説明しています。この装置も実験で使うので、
みんな真剣に聞いてくれています。
また、実験は3名前後の少人数の班で行うので、必ず装置に触れることができますし、
実験担当の教員から丁寧に指導を受けることができるので、分からないことはすぐに
聞いて解消でき、どんどん技術力がアップします。
こちらは光を吸収する物質を測ったり、溶液の濁り具合を測ったりできる装置です。
担当のK非常勤講師から装置の使い方を教わっています。
上の写真にある金属の濃度を測れる装置を操作している有機テクノロジー学科1年のK君
はすでに2年生の実験が気になるらしく、どんな実験があるのか質問してきました。
そこで、2年生の前期には実際の食品や医薬品などを扱う実験があり、後期には自分達で
計画した実験を行う卒業研究があることを話すと
『1年生の実験も色々な技術を学べて楽しいですが、2年生になると、これらの技術を
使って身近な製品などを測定できると聞いて、とても楽しみです。2年生になって、実験
する時に困らないように、今のうちに基礎技術をしっかり身につけておきたいです。』
とコメントしてくれました。
本校の学生は、1年で基礎を学び、2年で応用へと発展していく実験が仕事になります。
だからこそ、1年での基礎固めは大切です。1年での実験も残り少なくなってきましたが、
たくさんの技術を修得して、憧れの仕事へと結びつけてほしいと願っています。
byみなと