2017.07.09
本校では、平日に通学できない社会人や大学生等を対象とした、週末(土曜・日曜)開講の
「分析化学応用学科」を設置しています。この学科には、平日設置の学科で学ぶ専門分野を
総合的に学べる特徴があります。また、週末だけの通学ですが、平日学科と同様に2年間で
卒業でき、卒業と同時に3つの国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・
化粧品総括製造販売責任者)を「無試験」で取得することができます。
この「分析化学応用学科」に在籍する学生や、その入学目的は以下のように多種多様です。
・専門的な技術でキャリアアップを考えている社会人
・現在の仕事でのスキルアップを目指している社会人
・引っ越しをせずに遠方から週末のみ通学する社会人
・新規事業の立ち上げ等を予定している企業の経営層
・就職活動を見据えて技術力を高めようとする大学生
・週末に集中して学び、アルバイトで学費を納める方・・・など
また、環境・材料・バイオ・食品・医薬品・化粧品・有機合成などの知識・技術を総合的に
学べるので、就きたい仕事の業界・職種などが決まっていなくても、この学科で学びながら
その方向性を検討して決めたいという方(高校生・既卒者)にもピッタリの学科と言えます。
これらの幅広い目的に応えるため、この学科は入学定員20名の少人数制で開講しています。
この週末、1年生たちは「定性分析実験」に取り組みました。定性分析は、調べようとする
もののなかに、何が含まれているのかを明らかにする技術です。学生が化学反応を駆使して
検出を行う成分は金属イオンですが、この定性分析が基となって製品化されたものも少なく
ありません。例えば、柳の樹皮等に含まれる成分の定性分析から解熱沈痛剤のアスピリンが
開発されたり、昆布に含まれる成分の定性分析から旨味調味料が開発されたりと、医薬品・
食品・環境・材料・バイオ・化粧品・有機合成・・・など、多様な分野で欠かせない技術です。
N君(左下の写真)は大学の文系学部を卒業後、電気工事士の資格を取得し、今は化粧品を
容器に充てんする装置を設計・製造している会社で働きながらこの土日学科で学んでいます。
その入学目的は勤務先企業の事業拡大です。装置を販売するだけではなく、新規事業として
化粧品を各種容器に充てんする業務の受託を視野に入れています。このような化粧品の製造、
販売に関する業務を行う場合、「化粧品製造業責任技術者」「化粧品総括製造販売責任者」の
有資格者が必要になります。冒頭に記載のように、本校の学生は全員がこの資格を卒業時に
無試験で取得できるため、N君は会社を代表して働きながら学べる土日学科に入学しました。
『実験では、薬品の性質や取り扱い方も勉強になっています。入学目的は事業拡大に
必要な資格取得ですが、授業・実験は将来の仕事内容だけでなく、他の資格試験に
直結した内容が少なくありません。色々な知識・技術を身に付けて、資格取得にも
積極的にチャレンジしたいと思います!』
卒業時に取得できる3つの国家資格はもちろんですが、1年生の前期には危険物取扱者を、
今回行った定性分析は、分析技術を唯一証明する国家資格「化学分析技能士」の実技試験に
直結します。幅広い知識と専門性の高い資格は、個人的にも、会社としても、有用な武器に
なると思いますので、今の気持ちを今後の学びや資格取得につなげてくださいね。
by あずみ