2017.07.30
本校では、平日に通学できない社会人や大学生等を対象とした、週末(土曜・日曜)開講の
「分析化学応用学科」を設置しています。この学科は、平日に設置の学科で学ぶ専門分野を
総合的に学べる特徴があります。また、週末だけの通学ですが、平日学科と同様に2年間で
卒業でき、卒業と同時に3つの国家資格(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・
化粧品総括製造販売責任者)を「無試験」で取得することができます。
この学科に在籍する学生は、高校を卒業後、すぐに入学される方はもちろん、社会人の方も
少なくありません。社会人の方は現職でのスキルアップや、技術職への転職を考えている方、
事業の拡大を考える経営層の方もいますが、大学生も就職活動を見据えて、技術力を高める
目的で入学しています。また、環境・材料・バイオ・食品・医薬品・化粧品・有機合成など、
就きたい仕事の分野が明確でない方も学びながら将来の方向性を決めていくことができます。
このような背景から、この学科は入学定員20名の少人数制で開講していますが、在校生の
多様な入学ニーズに対応するため、企業や研究の現場を熟知している教員を配置しています。
○入学時の初歩的内容から分析現場での専門教育まで
写真は講義「化学分析法」を担当しているH野先生です。H野先生は、大手塗料メーカーで
分析質の立ち上げから携わり、40年間以上、分析化学の第一線で勤務していた先生です。
この「化学分析法」という講義では、入学時に使用する器具の説明や取り扱い方法、1年次
後期は秤量・溶解・ろ過などの基本操作を学び、2年次になると抽出・蒸留などの前処理や、
組成・構造分析、微量分析、元素分析へと2年間かけて、初歩の初歩から実務的な内容へと
レベルアップする講義です。卒業前には、企業時代に分析室で指導していた専門的な内容も
学生に教授していますので、既に分析化学の仕事に就いている在校生も過去の復習を含めて
着実にスキルアップを果たしています。
○ものづくり企業の技術支援の経験を授業に活かす
写真は講義だけでなく、実験指導も担当しているM井先生です。M井先生は公的研究機関で
長年研究や企業の技術・商品開発の支援を経験され、現在も公的機関のコーディネーターと
して新製品や新事業の創出を支援している先生です。
M井先生は、その経験を授業・実験でどのように活かしているのか、聞いてみました。
『研究や技術相談の経験から、分析の実務では経験年数に応じて、どこまで理解すれば
いいのかということも授業・実験を通して伝えています。例えば、機器分析は自分で
測定していないデータでも、解析できる能力を卒業時までに修得させることを一つの
目標としています。また、実務に就いている学生の相談にも可能な限り応じています。』
企業現場・研究現場の第一線を知る先生は分析化学応用学科に限ったことではありませんが、
特に社会人の学生にとっては強力な相談相手であり、確かな道しるべになっているようです。
今後も、土日学科の学生支援について、紹介していきます。
by あずみ