せんせのブログ

【土・日開講「分析化学応用学科」】実務を実感!! 応用分析化学実験Ⅰで食品分析

2017.11.04

片手に持った容器から、醤油を量り取っている分析化学応用学科の1年生。
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実はこの写真、本日からスタートした応用分析化学実験Ⅰでの1コマなのですが、
一体どんな実験を行ったのかというと、醤油の中の塩分濃度を分析しました。


これまで分析化学応用学科の1年生は基礎化学実験で器具の扱い方などの分析化学の基本
を学び、定性・定量分析実験や機器分析化学実験で定性分析(なにがあるか調べること)
や定量分析(どれだけあるか調べること)のための様々な基礎技術を磨いています。

本日からスタートした応用分析化学実験は1年生後期から2年生前期にかけて行われ、
環境・材料・食品・化粧品・バイオなどの様々な分野のより実践的な実験に取り組む
ことで、実務に通じる応用技術を修得していきます。


本日、食品分析に取り組んだ学生たちが在籍する「分析化学応用学科」は、平日に通学
できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の学科です。週末を活用して平日の学科と
同様に2年間で卒業することができ、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・
化粧品総括製造販売責任者の国家資格も卒業と同時に全員が取得することができます。

この学科に在学する学生の入学目的は、例えば、技術職への就職や転職、現職での
キャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家
資格の取得など多彩です。そして、多種多様な目的に対応するため、1学年あたりの
定員を20名として、少数精鋭で開講しています。


上でも述べたように、分析化学応用学科の学生の入学目的は多種多様ですが、即戦力と
なれる分析化学のプロフェッショナルを目指すという目標は同じです。
そのために、実務を想定した技術を学ぶことは大切なので、おおよそ1年間をかけて、
じっくりと応用技術を磨いていきます。

今回は、濃口醤油と薄口醤油の塩分濃度を、沈殿滴定という方法で測定しました。
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沈澱が生じるため、段々、コニカルビーカーの中が濁ってきます。
滴定という実験操作は、これまでに何度も実験で行ってきましたが、沈殿滴定は初めて
なので、先日のガイダンスで教わったことを思い出しながら、実験に取り組みました。


さらに本日はもう1つ、市販飲料水の硬度を測定する実験も行いました。
硬度とは水の中のカルシウムとマグネシウムの量を示す指標で、水の味などに関わるため、
市販飲料水には、その値が成分表示として記載されています。

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学生たちが、自分達が普段飲んでいる飲料水を持ち寄りました。
硬度の低い日本の水から、硬度の高いヨーロッパの水まで、色々と揃いました。

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実験操作は先日の実験でも行ったキレート滴定ですが、測定する金属が異なりますし、
何と言っても市販飲料水という実試料が分析対象です。
そのため、カルシウムとマグネシウムの濃度を測定するための実験条件や、目的成分
以外の成分による測定への影響を抑えるための方法など、実試料を測定するための
技術を確認しながら、実験を行いました。

実験後に食品分野への就職を希望しているMくん(上の醤油の塩分濃度測定で沈澱滴定を
行っている写真の学生)に感想を聞くと
『醤油や飲料水といった身近な食品を分析できたので、楽しかったです。基本操作は
これまでに修得した滴定でしたが、実試料を使うことで、より高度で実践的な技術を
学べたので、将来の仕事を実感することができました。』
と話してくれました。


このように、応用分析化学実験では実試料ならではの実験操作や、国や公的機関が定めた
分析方法(公定分析法)を実際に行うことで、実務に通じる応用技術を学んでいきます。
これからも、様々な実試料の分析に挑戦する学生の様子をご紹介していきますので、
お楽しみに!

by みなと