2017.11.05
今日は、学生から提出された実験レポートについて指導を行う「レポート日」を紹介します。
本校では、社会人や大学生など、平日に通学できない方を対象とした、土曜日・日曜日開講の
「分析化学応用学科」を設置し、技術職への就職・転職、現職でのキャリアアップ、勤務先や
自身が経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得など、多様なニーズに対応しています。
週末のみの開講ですが、2年間の通学で卒業が可能で、卒業と同時に無試験で3つの国家資格
(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)を全員が取得
できることは平日開講の学科と同様です。ただ、学生がこの学科での学習内容を活かしたいと
考えている職業分野は、環境・材料・食品・医薬品・バイオ・化粧品・有機合成...等と幅広く、
それらの業界ニーズにも対応するために、入学定員を20名として少数精鋭で開講しています。
在校生のニーズは前述のように多種多様ですが、化学分析の技術を修得することは全員共通の
ニーズであり、その技術を活用して得られた情報を報告書として伝える能力も同様と言えます。
1年生は後期に入り、試料に含まれている目的成分の量や濃度について、化学用体積計を使い、
自らの手で測定する重量分析や容量分析等の方法を学んでいます。この分析法は、化学分析の
実務的なスキルを証明できる唯一の国家資格「化学分析技能士」の実技試験内容でもあるため、
学生たちは来年夏の国家試験を目指して、着実な技術修得を目指しています。
今日は冒頭にも記載のように、実験ごとに作成し、提出をしたレポートについて指導を受ける
「レポート日」でした。ここでのレポートの指導は、単に報告書の書き方を学ぶだけではなく、
考察や課題などの指導を通して、その実験の原理や実験結果の統計学的な処理、結果に対する
考え方も含めた全体的な定着を目的としています。
先ずは、結果に対する考察をする上で必要となる知識や計算方法などを全体に説明します。
次に、疑問点に個別で対応し、実験の知識や技術についての理解が深まるように指導します。
このような個別指導をより丁寧に実施できるのも、少人数制の学科の良さと言えるでしょう。
レポート日の指導を受けたUくん(上の写真)に感想を聞くと...、
『考察を考え直すように指導を受け、自身でも考え、またクラスメートと相談したり、
先生に質問したりしました。そのなかで、実験の原理についての理解が深まったし、
考察するためにはどのように考えていけばよいのか、その方法や順序も理解できて
有意義な時間でした。特に考察の仕方は、今後のレポートに活かしたいと思います。』
分析の実務に就く上では、化学分析の技術はもちろんですが、得られた結果を相手に伝える
スキルも不可欠となります。今後もレポート日を通して着実にスキルアップしてください!
by あずみ