2017.12.17
今日は、実験レポート(報告書)作成のPDCAサイクルを回す「レポート日」を紹介します。
本校では、社会人や大学生など、平日に通学できない方を対象とした、土曜日・日曜日開講の
「分析化学応用学科」を設置し、技術職への就職・転職、現職でのキャリアアップ、勤務先や
自身が経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得など、多様なニーズに対応しています。
週末のみの開講ですが、2年間の通学で卒業が可能で、卒業と同時に無試験で3つの国家資格
(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)を全員が取得
できることは平日開講の学科と同様です。ただ、学生がこの学科での学習内容を活かしたいと
考えている職業分野は、環境・材料・食品・医薬品・バイオ・化粧品・有機合成...等と幅広く、
それらの業界ニーズにも対応するために、入学定員を20名として少数精鋭で開講しています。
1年生は午後から機器分析化学実験ですが、今日はレポート日です。レポートの指導は、単に
報告書の書き方を学ぶだけではありません。考察や課題等の指導を通して、その実験の原理や
実験結果の統計学的な処理、結果に対する考え方も含めた全体的な定着を目的としています。
9月下旬から12月上旬に実施した6回分の実験レポートを予め教員が確認し、不十分な点や
修正すべき点などを明確にして学生に返却します。学生全体に共通する事項を説明、その後は
マンツーマンで学生個々の疑問点に対応し、実験全体への理解が深まるように指導しています。
教科担当のみなと先生とM木先生が事前に確認したレポートについて、皆が全体への注意点や
個々のレポートに記載のあった赤ペン指導と真剣に向き合い、実験をふり返りながら修正して
いきます。「考察」について苦労する学生が多く、何を記載すべきか、実験結果についてどう
考えるべきか...など、教科担当者への相談は続きます。このPDCAを回すプロセスがとても
大切で、在学中の2年間で実験とレポート日を繰り返し、実験結果の統計学的な処理、結果に
対する考え方やその述べ方も含めて、仕事に必要とされる全体的なスキルを高めていくのです。
レポート指導を受けたM君(下の写真)の感想です。
『実験レポートの考察は、成功したか否かでも、自分の技術の未熟さを述べるところでも
ないことが分ってきました。また、指導を受けながら考察などを修正することで実験や
統計学的な処理に対する理解も深まりました。技術を高める上でも、このレポート日は
有意義な時間だと感じています。』
大学では、学生が時間を費やして作成し、提出した実験レポートを返却しないケースが少なく
ないという話も聞きますが、レポート作成能力はもちろんのこと、実験技術を高めるためにも
このPDCAは不可欠です。本校の学生は、この機会を有効に活用してほしいと考えています。
by あずみ