せんせのブログ

【土・日開講「分析化学応用学科」】レポート作成もPDCA!

2017.12.17

今日は、実験レポート(報告書)作成のPDCAサイクルを回す「レポート日」を紹介します。

P1060475.jpg

本校では、社会人や大学生など、平日に通学できない方を対象とした、土曜日・日曜日開講の
「分析化学応用学科」を設置し、技術職への就職・転職、現職でのキャリアアップ、勤務先や
自身が経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得など、多様なニーズに対応しています。

週末のみの開講ですが、2年間の通学で卒業が可能で、卒業と同時に無試験で3つの国家資格
(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)を全員が取得
できることは平日開講の学科と同様です。ただ、学生がこの学科での学習内容を活かしたいと
考えている職業分野は、環境・材料・食品・医薬品・バイオ・化粧品・有機合成...等と幅広く、
それらの業界ニーズにも対応するために、入学定員を20名として少数精鋭で開講しています。

1年生は午後から機器分析化学実験ですが、今日はレポート日です。レポートの指導は、単に
報告書の書き方を学ぶだけではありません。考察や課題等の指導を通して、その実験の原理や
実験結果の統計学的な処理、結果に対する考え方も含めた全体的な定着を目的としています。

P1060458.jpg

9月下旬から12月上旬に実施した6回分の実験レポートを予め教員が確認し、不十分な点や
修正すべき点などを明確にして学生に返却します。学生全体に共通する事項を説明、その後は
マンツーマンで学生個々の疑問点に対応し、実験全体への理解が深まるように指導しています。

P1060473.jpg P1060459.jpg

教科担当のみなと先生とM木先生が事前に確認したレポートについて、皆が全体への注意点や
個々のレポートに記載のあった赤ペン指導と真剣に向き合い、実験をふり返りながら修正して
いきます。「考察」について苦労する学生が多く、何を記載すべきか、実験結果についてどう
考えるべきか...など、教科担当者への相談は続きます。このPDCAを回すプロセスがとても
大切で、在学中の2年間で実験とレポート日を繰り返し、実験結果の統計学的な処理、結果に
対する考え方やその述べ方も含めて、仕事に必要とされる全体的なスキルを高めていくのです。

P1060460.jpg

レポート指導を受けたM君(下の写真)の感想です。

P1060467.jpg

 『実験レポートの考察は、成功したか否かでも、自分の技術の未熟さを述べるところでも
  ないことが分ってきました。また、指導を受けながら考察などを修正することで実験や
  統計学的な処理に対する理解も深まりました。技術を高める上でも、このレポート日は
  有意義な時間だと感じています。』

大学では、学生が時間を費やして作成し、提出した実験レポートを返却しないケースが少なく
ないという話も聞きますが、レポート作成能力はもちろんのこと、実験技術を高めるためにも
このPDCAは不可欠です。本校の学生は、この機会を有効に活用してほしいと考えています。

by あずみ