2017.12.03
分析化学応用学科では、初歩から分析機器の取り扱いが修得できるよう、マンツーマンに近い
少人数制が主な特徴の一つです。今日の実験の様子から、その特徴をご紹介したいと思います。
本校では、社会人や大学生など、平日に通学できない方を対象とした、土曜日・日曜日開講の
「分析化学応用学科」を設置し、技術職への就職・転職、現職でのキャリアアップ、勤務先や
自身が経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得など、多様なニーズに対応しています。
週末のみの開講ですが、2年間の通学で卒業が可能で、卒業と同時に無試験で3つの国家資格
(毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者)を全員が取得
できることは平日開講の学科と同様です。ただ、学生がこの学科での学習内容を活かしたいと
考えている職業分野は、環境・材料・食品・医薬品・バイオ・化粧品・有機合成...等と幅広く、
それらの業界ニーズにも対応するために、入学定員を20名として少数精鋭で開講しています。
今日、1年生が「機器分析化学実験」で取り扱いを学んだ分析機器はガスクロマトグラフです。
この機器は、気化しやすい成分の分析に用いられる機器で、どのような成分が含まれているか、
どれだけ含まれているかを調べることができます。化粧品や香料等に含まれるかおり成分や、
塗料に含まれる揮発性成分、環境水中に含まれる農薬、ガソリンに含まれる有害物質の分析、
また医薬品の安全性検査など、この分析機器を必要とする業界も多種多様です。
このガスクロマトグラフを1年生が使用するのは本日が初めてです。それを聞くと大丈夫?と
感じる方もいると思いますが、それが全くもって大丈夫なのです。その理由は以下の通りです。
1.授業で既に分析機器の構造や原理を学習済み
本校のカリキュラムは、授業と実験がリンクしていることが大きな特徴です。実験に必要な
知識等は、それ以前に授業で身に付けることが可能です。下の写真は授業「機器分析法」で
分析機器の原理や構造について学んでいる様子です。
2.実験内容は事前に「実験ガイダンス」で把握
全ての実験において、どのような器具・機器を使い、どのような操作をし、何を調べるのか、
また、その実験から修得できるスキルなどを説明する「実験ガイダンス」を実施しています。
実験日に、"何をすればいいのか分からない" "どのように進めればいいのかわからない"と
いうことがなく、修得すべき知識や技術を一つひとつ確認しながら取り組むことができます。
3.操作のコツや留意点等はマンツーマンで指導
冒頭にも記載のように、分析化学応用学科は入学定員が20名の少人数制となっています。
在校生のほとんどが、化学や分析を本校に入学して初めて学ぶ学生であり、初めて使用する
分析機器や器具の取り扱い方法については演示の後、マンツーマンでの指導を行っています。
特に分析機器を使用する際は、取り扱い方法はもちろん、機器の構造や原理、分析データの
処理など講義の復習も行いますので、初めての方も知識・技術ともに問題なく修得できます。
実験後、学生たちは次のように話していたようです。
『これまで実験で使ってきた分析機器と異なり、いくつもの成分を一度に測定できるのは、
すごいと思います。また、環境や食品、化粧品等の様々な分野でよく用いられる装置と
聞いたので、知識も技術もしっかりマスターしたいと思います。』
『機器分析化学の授業でクロマトグラムを習いましたが、実物を見たのは初めてでした。
保持時間から定性分析ができることや、ピークのシャープ、ブロードという専門用語の
意味も実際に見てよく理解できました。授業で学習し、実験で実体験することで理解が
深まっていくことを実感しています。』
1年生にとってガスクロマトグラフの使用は今日が初回であり、基礎的な実験内容でしたが、
次週の実験では同じ分析機器を用いて、実務に必須の実践的な内容へとステップアップします。
基礎的な内容から実践的・応用的な内容へと自然に、着実にレベルアップしていく実験内容と
マンツーマン指導で、今後も全員が無理なく技能を修得できるようにサポートしていきます!
by あずみ