2018.01.06
本日、分析化学応用学科の1年生は機器分析化学実験で高速液体クロマトグラフ(HPLC)
に初挑戦しました。
分析化学は「どこに、なにが、どれだけ、どのようにあるのか」を調べる技術で、高品質な
製品を消費者に届けるために必要な品質管理、快適な暮らしを守る環境分析、健康管理に
欠かせない臨床検査、さらには新たなものづくりを行う研究開発など安全・安心で豊かな
生活を支える様々な現場で活躍しています。
そして、分析化学と一言で言っても、そこには多種多様な技術があり、分析を行う機器にも
様々な種類があります。
そこで、1年生の機器分析化学実験では、分析の現場でよく使われる機器を一通り学びます。
その中でも、本日、分析化学応用学科の1年生が学んだHPLCは分析を行う現場で最も
広く使われている機器の1つです。
教員の指導を聞きながら、試料注入に初挑戦です。
分析化学応用学科は少人数制なので、マンツーマンで指導を受けられます。
ここで、HPLCに挑戦した学生たちが在籍する「分析化学応用学科」をご紹介します。
分析化学応用学科は平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の学科で、
技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する
企業の事業拡大に必要な国家資格の取得などの様々な入学目的を持った学生が在学して
います。
このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、分析化学応用学科は、1学年あたり
の定員を20名とする少数精鋭で開講しています。
また、土曜日・日曜日の通学で、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、毒物
劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格も卒業と
同時に全員が取得することができます。
このように、分析化学応用学科の学生は目的も経歴も様々です。そのため、化学初心者の方
も多いですし、実務能力を向上させたいと希望される方もいます。
そこで、分析化学応用学科では、授業と実験の両方で学ぶこと、実験を積み上げることで、
基礎から応用、そして実践へと着実にステップアップできるカリキュラムとなっています。
どのようにステップアップしていくのかご紹介していきます。
まず、機器分析法の授業と機器分析化学実験のガイダンスを通して、機器の構造や測定
原理などの知識を学びます。
次に、本日のように、機器分析化学実験で、ある機器を初めて使う時は、実物を見ながら
構造や測定原理などを復習するとともに、基本的な操作方法を学びます。
本日も実際のHPLCの前で、構造や操作上の注意点を説明しました。
その後、実際に機器に触れることで、知識も技術も確実に身についていきます。
機器分析化学実験で2回目に、その機器を使う実験では、基本的な操作方法を復習しつつ、
応用的な操作方法や1回目とは異なる検出方法に挑戦します。
さらに、応用分析化学実験は、より実践的となり、実際の食品や化粧品などを用いて、
実試料中の成分を測定する場合の技術を学びます。
そして、2年生後期の卒業研究で、さらに実践的な技術を修得することもできます。
現在の2年生が卒業研究でHPLCを用いている様子です。
写真に写るS君はHPLCのスキルを身につけることも入学目的の1つだったので、
卒業研究を通して、希望を叶えています。
実験を終えた1年生に感想を聞くと
『HPLCはこれまで学んできた機器の中では最も構造が複雑なので、授業を聞くだけでは
機器の構造や原理がなかなかイメージできませんでした。しかし、実際の機器に触れた
ことで一気に理解が深まり、HPLCに対する興味も湧いてきました。』
『HPLCは様々な分野で使われていると聞いたので、しっかりと修得したいと思って、
実験に臨みました。実験を通して、正しい結果を得るために気をつけることが色々ある
ことが分かったので、そういった注意点なども今後の実験できちんと修得したいです。』
と答えてくれました。
HPLCは1年生の間にあと2回、実験を行いますので、着実にステップアップしながら、
現場で即戦力として活躍できる技術力を修得していきましょう!
by みなと