2018.01.20
本日、分析化学応用学科1年生は機器分析化学実験で、新しいものを生み出す研究開発で
活躍する分析技術を学びました。
分析化学は、製品の品質管理、環境調査や臨床検査など、私たちの暮らしの安全・安心を
守る現場で活躍している技術ですが、それだけではありません。
新しいものを生み出す力にもなります。例えば天然物の中から有効成分を探し出したり、
新しく作り出したものがイメージ通りにでき上がっているか確認したりする時に必要と
なる技術なのです。
つまり、分析化学を学べば、研究開発に携わることもできるのです。
写真に写る本日の実験で用いた分析機器は、テレビのリモコンなどにも使われている
赤外線を用いて、分子の構造を解析できる装置です。
ちょうど学生が試料を装置内に設置しようとしているところです。
本日、研究開発に通じる技術を学んだ学生たちが在籍する「分析化学応用学科」は平日
に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の学科です。週末を活用することで、
平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業
責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格も卒業と同時に全員が取得することが
できます。
また、この学科に在学する学生の入学目的は、例えば、技術職への就職や転職、現職での
キャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格
の取得など多彩です。そして、多種多様な目的に対応するため、1学年あたりの定員を
20名として、少数精鋭で開講しています。
本日の実験では、試薬のように粉末にしやすい試料を扱う場合と、ペットボトルや
ラップフィルムのように粉砕しにくい試料を扱う場合の、2通りの方法を学びました。
めのう乳鉢で試薬を粉砕しているところです。測定結果にも関わるため、まずは微小な
粉末を目指して、奮闘しています。
装置に設置するために、錠剤状に成形しているところです。一定時間、均一に力を掛ける
ことなどの注意点を聞いて、挑戦しています。
その後、冒頭の写真のように、錠剤状の試料を装置内に設置して、測定します。
型枠に貼り付けたラップフィルムを装置内に設置しているところです。身近なものを試料
とすることで、より一層、仕事のイメージも湧きます。
このように、異なる状況に対応できる技術を修得することで、分析の現場で活躍できる
人材へと成長することができます。
また、現場を想定した実験内容で、実務に通じる技術を着実に修得できるのも、少人数制
の分析化学応用学科の魅力と言えます。
実験を終えた学生に感想を聞くと、
『初めて構造を解析する方法を学び、謎解きのようでおもしろいなと思いました。そして、
研究開発にも携われることも実感できました。就職活動では、研究開発職も考えてみよう
と思いました。』
『実験中に、今回の技術が研究開発だけではなく、製品の変質などが起こった際に原因を
調査する場合にも活躍することを聞きました。分析化学の役割の大きさを感じるとともに、
分析化学を活かして、こういった責任とやりがいのある職場で働きたいと思いました。』
と話してくれました。
分析化学は安全・安心を守り、新しいものを生み出す、私たちの暮らしを支える技術です。
だからこそ、ものづくり、環境、健康管理など様々な分野に活躍の場があります。
これからも着実に技術を修得して、それぞれのフィールドで活躍できる分析化学者へと
成長していってほしいと思います。
by みなと