2018.01.24
このブログでこれまでもお伝えしていますように、
本日は大阪市立都島高等学校機器分析実習を実施しました。
この実習は高校からの依頼を受けて、高校の授業の一環として行っています。
理数工学科の3年生80名が8回に分かれて来校されました。
昨年6月から始まったこの実習も、今日が最終回となります。
本実習では2つの実験を行っています。
先日のブログではそのうちのひとつ、HPLC(高速液体クロマトグラフ)を使った
ビタミンC(アスコルビン酸)の分析について紹介しました。(当日の様子はこちらから)
今日のブログではもうひとつの実験、赤外分光分析計 (IR)を用いた
有機材料の分析について紹介します。
赤外分光光度計 (IR)は、赤外光を吸収する特性を基に、化学構造を調べる分析機器です。
イメージしにくいかもしれませんが、赤外線は社会の中でも使われています。
例えば、自動ドアのセンサーで利用されている目には見えない光が赤外線です。
この赤外線を使った分析機器で分析する方法を、赤外分光分析法といいます。
用途は様々ですが、身近なものを分析する際にも役に立っている分析法のひとつです。
例えば、油を分析することで動植物油などの油脂かベビーオイルなどの鉱物油なのかを
簡単に調べることができます。
他にも、時折ニュースにもなる食品やその他製品の中に混入する
小さな異物が何でできている物質なのかが、この分析機器を用いて調べられています。
普段の生活をしていると、知る機会は少ないかもしれませんが、
私たちの生活を守るために、役に立っている分析機器なのです。
今日は、身近に利用されているプラスチックの違いを調べました。
実験材料は、ペットボトルのふたと容器の部分です。
この写真は、ペットボトルのふたを測定できる大きさに切っているところです。
プラスチックと言えばひとまとまりになってしまいますが、
化学的に見ると物質としては異なり、色々な種類があります。
ふたに使われているのは、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)系の
プラスチックで、容器はポリエチレンテレフタラート(PET)が使われています。
高校生には測定したスペクトルから、各々がどういった構造を持つかという
簡単な構造解析をしていただきました。
写真は、実際に分析している様子です。
私、かもみーるの説明に熱心に聞き入ってくれていました。
実習を終えての感想を紹介します。
「高校では分析機器を用いた分析はあまりしたことがなかったため、
良い経験になりました!」
「細かいところまでわかる分析技術があることに感銘を受けました。
さらに分析への興味を深めたいです。」
など理数工学科に在籍する生徒さんらしく、
実験操作を楽しむだけでなく、分析法もしっかり学んでもいただけました。
今回でこの実習は最終回となりました。
高等学校の先生からは、
「このような専門学校と高校との連携は初めての試みでしたが、
生徒にとって良い経験になった」
と話をいただきました。
私たちとしても、高校生のみなさんと実験をする貴重な機会となり良かったと思います。
また、今後日本のものづくり社会を支えていくという共通の使命を有する同士として
人材育成の一助になれたのではないかと自負しています。
大阪市立都島工業高校のみなさん、ありがとうございました。
By かもみーる