せんせのブログ

【土・日開講「分析化学応用学科」】分析化学者へと一歩ずつ近づく応用分析化学実験

2018.04.15

分析化学応用学科の2年生は、実試料を用いた実践的な分析方法を学ぶ応用分析化学実験
を通して、分析化学のプロフェッショナルへと一歩ずつ近づいています。
この実験で用いる実試料は様々で、本日は環境分析を行うために本校の前を流れる大川の
水を用いましたが、その他にも食品・化粧品・医薬品・合金・鉱物なども用います。
このように多彩な実試料を用いる理由は、分析化学応用学科の学生の入学目的が多彩
だからです。
そこで、まずは分析化学応用学科について説明します。


本校には、平日に通学できない方を対象に週末(土曜日・日曜日)だけの通学で、
平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業
責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格も卒業と同時に全員が取得すること
ができる「分析化学応用学科」があります。

この学科では、技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ、
勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得などの多種多様な
入学目的を持った学生が学んでいます。
また、就職や転職の希望分野も、環境・材料・食品・医薬品・化粧品・バイオなど
様々です。
このように多彩な入学目的を持つ学生に対応するため、分析化学応用学科は、1学年
あたりの定員を20名とする少数精鋭で開講しています。


本日の実験では、環境分析の1つとして、河川水中の亜硝酸イオンの濃度を測定しました。
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そこで、実験に用いる河川水を本校の前を流れる大川から採取しました。

実験室に持ち帰った大川の水をろ過して、浮遊物を取り除き、濁りを減らします。
そして、亜硝酸イオンと反応して、赤く呈色する試薬を加えて、発色させます。
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1年生の実験で化学分析の基本的な操作方法を何度も繰り返し行ってきたので、入学時は
化学初心者だった学生も、2年生になる頃にはガラス器具を自然と正しく使えるように
なっていて、我々教員も安心して見ていられます。

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赤く発色した溶液を吸光光度計という分析機器を用いて、測定しています。
この分析機器もすでに1年生の実験で扱ったことがあるので、班ごとに班員が連携して、
慣れた手つきで実験を進めています。

分析化学応用学科では1年生の実験で様々な分析機器に触れ、扱い方を修得します。
その後に取り組む応用分析化学実験でも、様々な分析機器を用いる実験を組んでおり、
分析機器に何度も触れることで、より確実に技術を修得できるようなカリキュラムと
なっています。

実験後に学生に感想を聞くと
『3月は春休みで、一ヶ月以上実験をしていなかったので、器具などを正しく扱えるのか、
正直に言うと不安もありましたが、実験を始めてみると、体が技術をきちんと覚えていて、
自然と正しい操作ができました。実験に対する自信がまた1つ増えました。』
『応用分析化学実験は実試料を使うので、実務に近づいている実感が湧き、楽しいです。
この実験で実務に役立つ技術をしっかりと修得して、就職の採用試験では自信を持って
技術力をアピールできるようにしたいです。』
とコメントしてくれました。

この実験では化学分析はもちろんのこと、バイオ分野で用いる生物学的な分析方法や
有機化合物の合成方法についても学びます。
今後も、これらの実験の様子をご紹介していきますので、お楽しみに!

by みなと