2018.05.27
今週も分析化学応用学科の2年生は、日本薬局方や日本工業規格に収載されている実験
方法を実践し、実務に通じる技術の修得を目指しました。
なぜ、分析化学応用学科では様々な分野の実験を行っているのかというと、それは以下に
示すような学科の特徴があるからです。
本校には、平日に通学できない方を対象とした土曜日・日曜日開講の「分析化学応用学科」
があります。週末を活用することで、平日の学科と同様に2年間で卒業することができ、
毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格も
卒業と同時に全員が取得することができます。
この学科に在学する学生の入学目的は、例えば、技術職への就職や転職、現職での
キャリアアップやスキルアップ、勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家
資格の取得など多彩です。そして、多種多様な目的に対応するため、1学年あたりの
定員を20名として、少数精鋭で開講しています。
このように、分析化学応用学科には仕事や大学の授業などで平日に通学ができない方が
集まってきますが、学生たちが卒業後に活躍したと考えている分野は様々です。
そこで、分析化学応用学科では、様々な分野の実験を行っています。
日本薬局方に収載されている方法に従って、チアミン塩化物塩酸塩(ビタミンB1)を
高速液体クロマトグラフで測定しました。
高速液体クロマトグラフという装置を使うのは1年生の実験以来なので、まずは手順を
確認しながら、慎重に実験を進めていましたが、1年生の実験で何度も使っている装置
なので、すぐに思い出して、的確に操作していました。
こちらは、日本工業規格に収載されている方法で、本校の前を流れる大川の水の全リン
を測定しています。環境分野に通じる技術を修得中です。
さらに、分析化学応用学科の2年生は後期から卒業研究に取り組みます。
卒業研究では、実験計画の立案、試薬や器具の使用量の見積もりとコスト算出、実験、
発表、論文作成という一連の取り組みを、学生が主体となって進めることで、研究開発
で必要とされるスキルも磨いていきます。
本校の卒業研究は、チームワークの能力向上を図るために、複数名で取り組みます。
また、卒業研究の実験を行うのは2年生の後期ですが、計画の立案や必要な試薬や器具の
リストアップは前期の間に行います。
先日、班分けが発表された分析化学応用学科では、班ごとに、具体的な実験内容の検討が
始まりました。
写真は私みなとが担当する卒業研究の実験班です。この班のテーマは食品ということで、
学生の口からは色々な食品の名前が飛び出していました。
学生たちに話しを聞くと
『日本薬局方や日本工業規格に収載されている方法を実践していると、本当に仕事に
近づいてきたことを実感します。実際に収載されている文書を見ながら実験を行って
いるため、特有の表現なども学ぶことができ、有意義な実験となっています。』
『卒業研究の実験内容を考えるために、色々と調べると、先日の実験で行った前処理の
方法が出てきたり、授業で使っている教科書にヒントがあったりして、日頃の授業や
実験を通して実践で役立つ知識や技術が学べているのだなと思いました。』
と答えてくれました。
学生たちは日々の勉強が仕事へとつながっていることを、より一層強く感じ始めています。
そういった気づきを大切にして、これからの実験でも着実に技術を修得していってほしい
と思います。
by みなと