せんせのブログ

【土・日開講「分析化学応用学科」】日本工業規格に沿った実験で、実務を体験!

2018.05.13

化学の学校なのに、ペンチとステンレス線? 実は、本日の実験では日本工業規格(JIS)
で定められた実験方法で、ステンレスの成分分析を行ったのです。
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本日、分析化学応用学科の2年生が取り組んだ応用分析化学実験では、食品や化粧品、
河川水などの実際の試料を用いて、より実践的な実験を行い、実務に役立つ技術の修得を
目指しています。
この実験で様々な実際の試料を扱う理由は、分析化学応用学科の特徴にありますので、
まずは分析化学応用学科について、ご紹介します。


本校には、平日に通学できない方を対象に週末(土曜日・日曜日)だけの通学で、平日
の学科と同様に2年間で卒業することができ、毒物劇物取扱責任者・化粧品製造業責任
技術者・化粧品総括製造販売責任者の国家資格も卒業と同時に全員が取得することが
できる「分析化学応用学科」があります。

この学科では、技術職への就職や転職、現職でのキャリアアップやスキルアップ、
勤務先や自ら経営する企業の事業拡大に必要な国家資格の取得などの多種多様な
入学目的を持った学生が学んでいます。また、このように多彩な入学目的を持つ
学生に対応するため、分析化学応用学科は、1学年あたりの定員を20名とする
少数精鋭で開講しています。


このように分析化学応用学科の学生は入学目的が多彩であるため、学びたい分野、
目指したい分野も様々です。
そのため、実験では様々な分野の実際の試料を扱うことで、幅広い分野に通じた
実務能力の修得を目指しています。
そして、本日の実験では身近な合金の1つであるステンレスの成分分析に挑戦し、
金属材料の分析方法やJISに定められた公定分析法について学びました。

切り取ったステンレス線を酸性の溶液中で溶かして、測定のための試料溶液を調製
しました。
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激しく反応する工程もあるため、教員の指導の下、慎重に操作を行っていました。

その後、滴定という実験方法を応用して、目的成分の濃度を測定しました。
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滴定操作は1年生の実験で何度も行ったので、学生たちも慣れた手つきで、実験を
進めていきます。

実験を終えた学生に感想を聞くと
『実際の試料を用いることで、測定用の試料溶液を調製するまでの前処理の操作が
いかに大切か分かりました。この実験では、これからも様々な試料を扱いますので、
それぞれの試料や測定方法に合わせた前処理の仕方について、しっかりと技術を
修得したいと思います。』
『今回の実験は溶液の色が何度も変化して、とても楽しかったです。それぞれの色変化が
金属の性質によるものだと分かり、1年で学んだ無機定性分析法の授業や実験とつながって
いることに気がつきました。1つ1つステップアップしているのだと実感できました。』
と話してくれました。

実際の試料を用いた実験を通して、現場で役立つ実務能力を培って、即戦力となれる
分析化学のスペシャリストを目指しましょう!!

by みなと